トイレ

犬のトイレトレーニング完全ガイド

出典あり

芝生に座るジャーマンシェパードの若い犬
Photo: André Karwath aka Aka(CC BY-SA 2.5, Wikimedia Commons)

トイレのしつけのコツは1つ。「失敗を叱らない・成功をほめる」。これを守れば、ほとんどの犬がきちんと覚えます。

今日やることは1つ。 起床直後にトイレへ連れて行き、できたらその場でおやつ。まずこの1回だけ確実に。

なぜ叱ってはいけないのか

粗相を叱ると、犬は「排泄そのものを見られると怒られる」と学習します。すると人の見ていない場所、ソファの裏やカーテンの陰で排泄するようになります。これがトイレが長引くいちばんの原因です。

しかも犬は数秒前の行動としか結びつけられないので、後から見つけて叱っても「なぜ怒られたか」は伝わりません。伝わるのは「この人は時々怖い」だけです。

失敗は無言で片付け、成功だけをほめる。これに尽きます。

トイレは管理で決まる。起きた直後、食後、遊びの後、寝る前の四つのタイミングでトイレへ連れて行く

まず我慢できる時間を知る

子犬の膀胱は小さく、目安は月齢+1時間です。

月齢我慢の目安
2か月約3時間
3か月約4時間
4か月約5時間
6か月以降6〜8時間

生後2か月の子犬が3時間おきに排泄するのは正常です。この間隔より短く連れて行くのが、失敗を防ぐいちばん確実な方法です。

月齢と我慢できる時間の目安。二か月で約三時間、三か月で約四時間、四か月で約五時間、六か月以降で六〜八時間 Illustration: BAUDOG(生成画像)

基本の手順

  1. タイミングで連れて行く。起床直後、食後15〜30分、遊んだ後、寝る前。この4つは排泄しやすい瞬間です
  2. 成功したらその場でほめておやつ。部屋に戻ってからでは遅く、何をほめられたか伝わりません
  3. 号令をつける。排泄し始めた瞬間に「ワンツー」と静かに声をかけます。出し終わってからでは、号令が「終わりの合図」になってしまいます

号令が入ると、旅行先や動物病院でも排泄できるようになります。手順はワンツー(トイレ)にレベル別でまとめています。

トイレの基本の手順。起きたら・食後・遊んだ後・寝る前に連れて行き、排泄の出始めに号令、その場でほめる Illustration: BAUDOG(生成画像)

失敗したときの掃除

ここが見落とされがちですが、掃除の仕方で再発率が変わります。

犬は自分のにおいが残っている場所を、またトイレだと認識します。人の鼻で分からなくても犬には分かります。

  • 酵素系のペット用クリーナーを使う。尿の成分を分解します
  • アンモニアを含む洗剤は使わない。尿と似たにおいになり、かえって誘導してしまいます
  • 布やカーペットは、表面を拭くだけでなく染み込んだ層まで

失敗したときの掃除。酵素系のクリーナーで拭き、犬は叱らずに背を向ける Illustration: BAUDOG(生成画像)

覚えないときの原因チェック

2週間やっても変わらないときは、やり方ではなく環境を疑います。

  • トイレが小さすぎないか。体がすっぽり入り、回れる広さが要ります
  • 寝床や食器に近すぎないか。犬は寝る場所の近くで排泄したがりません
  • 素材が合っているか。ペットシーツで覚えない子が、人工芝だとすぐ覚えることがあります
  • 連れて行く間隔が長すぎないか。上の表より短くしてみてください
  • 成功したのにほめていない回がないか。ほめ忘れは、犬にとっては失敗と同じです
  • 家族で号令やルールが違っていないか

2週間変わらないときに疑う6つ。トイレの広さ、寝床からの距離、素材、連れていく間隔、ほめ忘れ、家族の統一 Illustration: BAUDOG(生成画像)

留守番中の失敗を防ぐ

見ていられない時間は、クレート(ハウス)を活用します。犬は自分の寝床を汚したがらないため、我慢の間隔をのばす助けになります。

ただし我慢できる時間を超えて入れておくのは逆効果です。中で失敗すると「寝床を汚してもいい」と学んでしまい、トイレトレーニングが後戻りします。上の表を超える留守番では、サークルにトイレを含める形にしてください。

いつ完成するか

室内での粗相が連続2週間ゼロになれば、ほぼ完成です。多くは生後4〜6か月ごろに安定します。

一度できてから戻ることもあります。 引っ越し、家族構成の変化、新しい家具、来客が続いた時期などがきっかけになります。焦らず、連れて行く頻度を一時的に戻せば回復します。

成犬・保護犬の場合

手順は同じですが、前の環境で身についた習慣があるぶん時間がかかります。

  • ペットシーツを知らず、外でしか排泄しない子もいます
  • 屋外で覚えた子に室内トイレを教えるときは、外で使ったシーツを室内に置くと早いことがあります
  • 叱られ続けた経験がある子は、人前で排泄しません。離れて見守るところから始めてください

マーキングは別のもの

少量を柱や家具の角にかける行動は、排泄ではなくマーキングです。トイレトレーニングでは減りません。去勢の有無、来客、他の犬のにおいなどが関係します。対処が異なるので、混同しないでください。

受診を考える目安

  • 急に頻繁になった、間に合わなくなった
  • 排尿時に痛がる、何度も構えるのに出ない
  • 尿の色がいつもと違う、血が混じる
  • 水を飲む量が急に増えた

こうした変化はしつけの問題ではありません。動物病院で相談してください。

よくある質問

夜だけ失敗します 寝る直前の排泄が済んでいないか、我慢の時間を超えています。寝る前の水を減らすより、就寝直前にもう一度連れて行くほうが確実です。

トイレの近くではするのに、中でしません サイズか素材が合っていない可能性が高いです。まず一回り大きくしてみてください。

外でしか排泄しなくなりました 雨や災害で外に出られない日に困ります。外で排泄し始めた瞬間に号令をかけ、室内でも同じ号令を使うところから戻していきます。

1週間で取り組む

うまくいかないときの原因と日ごとの手順はトイレの成功が続く1週間にまとめています。

出典