おでかけ

ドッグランデビュー|行く前に確認すること、当日の見守り方

出典あり

公園のドッグランで、赤い盛り土の上で追いかけっこをする3匹の犬
Photo: Calistemon(CC BY-SA 4.0, Wikimedia Commons)

ドッグランに初めて連れて行った日に、愛犬が隅で固まってしまった。あるいは逆に、興奮して他の犬に飛びかかって、飼い主同士が気まずくなった。

どちらもよくある話で、たいてい原因は同じです。準備ができる前に、入ってしまった。

ドッグランは犬を「慣らす場所」ではありません。準備ができた犬が、楽しむ場所です。順番を間違えると、最初の1回が嫌な記憶になって、その後ずっと他の犬が苦手になることもあります。

ドッグランは4つの段で考える。行く前:ワクチン・呼び戻し・他の犬を見て落ち着けるの3条件。入る:空いている時間、二重扉、最初は10分。見守る:スマホを見ない、遊びは交代する、逃げ続けるなら距離をとる。帰る:楽しいうちに帰る

この記事で学べること

  • ドッグランに行く前にそろえておく3つの条件
  • 初めての日の、時間帯と入り方
  • 「遊んでいる」と「嫌がっている」の見分け方
  • 割って入るタイミングと、やり方
  • 帰るタイミング。なぜ「楽しいうちに帰る」のか

今日やることは1つ。 散歩中に他の犬が見えたとき、愛犬がどうするかを観察してください。固まる、吠える、引っ張る、なら、ドッグランはまだ先です。

記事執筆における出典

ドッグランのルールは施設ごとに違います。ここでは、どこへ行くにも共通する犬の側の準備と、行動の読み方を中心に書きます。

  • 社会化と、他の犬との接触の考え方 ── 米国獣医行動学会(AVSAB)の声明。子犬の社会化と、罰を用いない訓練についての専門家団体の見解です
  • ワクチンと狂犬病予防注射 ── 環境省「動物の愛護と適切な管理」。飼い主の義務の根拠です
  • 遊びと不安のサインの読み方 ── BAUDOGの犬のボディランゲージの記事と同じ出典にもとづいています
  • 手順の組み立て ── 上記の資料をもとに、BAUDOGが構成しました

施設のルール(ワクチン証明の提示、利用できる犬種や大きさ、時間)は、行く前に必ずその施設に確認してください。 ここには書けません。

行く前にそろえる3つの条件

ドッグランに行く前の確認。ワクチンの証明書、鑑札、水とボウル、うんち袋 Illustration: BAUDOG(生成画像)

1. ワクチンと狂犬病予防注射が済んでいる

ほとんどのドッグランが、混合ワクチンと狂犬病予防注射の証明を求めます。狂犬病予防注射は日本では法律上の義務です。

子犬の場合、ワクチンプログラムが終わるまでは待ちます。時期は獣医師に確認してください。

2. 呼んだら来る

これがいちばん大事で、いちばん見落とされます。

ドッグランでトラブルが起きたとき、飼い主にできることは呼んで、距離をとることだけです。呼んでも来ない犬を、走って捕まえに行くことはできません。追いかければ犬は逃げます。

家の中で呼べる、散歩中に呼べる、他の犬が見えていても呼べる。ここまでできてから入ります。おいでを、良いことだけで積んでおいてください。

3. 他の犬を見ても落ち着いていられる

散歩中にすれ違う犬に対して、固まる・吠える・引っ張る、が出ているうちは、ドッグランに入れると悪化します。

まず散歩で「他の犬が見えていても、こちらに注意を戻せる」を作ります。距離をとって、見た瞬間にこちらへ注意が戻ったらおやつ。これを何度もやってから、距離を縮めます。

初めての日:入り方

空いている時間に行く。 平日の午前、雨上がり、真夏の昼など、犬が少ない時間を選びます。犬が10頭いる場所に初めて入れるのは、人混みに子どもを放り込むのと同じです。

二重扉の内側でリードを外す。 外の扉を閉めてから、内側でリードを外します。リードをつけたまま中に入ると、リードが絡まったり、リードで動けないことが犬の不安になったりします。

入口に犬が集まっていたら、待つ。 新しく入ってくる犬に、中の犬が集まるのはよくあることです。集団に囲まれる形で入ると、怖がりの犬はここで固まります。散るまで外で待ってください。

最初は10分で出る。 楽しそうでも10分で帰ります。理由は後で書きます。

二重扉の内側でリードを外す。外の扉を閉めてから、内側で外す Image: AI生成(BAUDOG)

見守る:遊びと嫌がりの見分け方

入ったら、スマホをしまってください。 ドッグランでの事故のほとんどは、飼い主が見ていない数秒で起きます。

遊んでいるサイン

  • 追う側と追われる側が交代する
  • 体が柔らかく、動きに弾みがある
  • 前足を伏せてお尻を上げる(プレイバウ)
  • ときどき止まって、また始まる

嫌がっているサイン

  • 一方的に追われ続けている。逃げても追ってくる
  • 固まる。動かない
  • 尻尾が下がる、後ろ足の間に入る
  • 飼い主のところに戻ってくる、足元に隠れる
  • 白目が見える、口をペロッとなめる、あくびをする

「交代しているか」が、いちばん分かりやすい基準です。 ずっと同じ犬が追い、同じ犬が逃げているなら、遊びではなくなっています。

犬のサインの読み方全般は犬のボディランゲージにまとめています。

他の犬が少ない時間帯なら、もってきてでボール遊びをするのもよい運動になります。 混んでいる時間は、他の犬がボールに横から加わってトラブルになりやすいので避けてください。

遊んでいるサインと嫌がっているサイン。交代する・プレイバウ・弾む動きは遊び。一方的・固まる・尻尾が下がるなら止める Illustration: BAUDOG(生成画像)

割って入るタイミングと、やり方

嫌がっているサインが見えたら、その時点で呼んで距離をとります。「もう少し様子を見よう」は、たいてい遅れます。

やり方は、大声を出さず、走らず、名前を呼んで、こちらに来たらほめて、そのまま少し離れた場所へ移動する。相手の犬の飼い主に「ちょっと休ませます」と一言。それで十分です。

相手の犬をつかんだり、間に手を入れたりしないでください。興奮している犬の間に手を入れると、噛まれることがあります。

割って入るやり方。嫌がるサインが見えたら、静かに名前を呼び、来たらほめて、少し離れた場所で休む Illustration: BAUDOG(生成画像)

帰る:楽しいうちに帰る

初めての日に10分で帰る理由はこれです。

犬は「最後にどう感じたか」を、その場所の記憶として残します。疲れきる前、嫌なことが起きる前に帰れば、ドッグランは「楽しかった場所」として残ります。 次に行くとき、犬は喜んで入ります。

逆に、疲れて機嫌が悪くなり、他の犬とぶつかってから帰ると、それがドッグランの記憶になります。

帰ったら水と休息。その日どうだったかを思い返して、次はもう少しだけ長く。

砂浜で並んで走る二頭の犬 Photo: Nancy Wong(CC BY-SA 4.0, Wikimedia Commons)

うまくいかないとき

隅で固まって動かない ── まだ早かったサインです。責めずに帰り、散歩での「他の犬を見ても落ち着ける」練習に戻ります。数週間後に、もっと空いている時間で再挑戦を。

興奮して飛びかかる ── 呼び戻しが効かないなら、ドッグランは一旦やめます。家と散歩でおいでを作り直してから。

マウンティングする、される ── 興奮のサインです。呼んで距離をとり、落ち着いたら戻します。続くなら、その日は帰ります。

帰りたがらない ── 「呼ばれる=帰る」になっています。ドッグランの中で、呼んでおやつをあげてまた遊ばせる、を何度も混ぜてください。呼ばれても良いことがある、に戻します。

相談を考える目安

  • 他の犬に対して、唸る・歯をむく・突進するが出る
  • ドッグランから帰ると、数日は様子がおかしい
  • 他の犬を見るたびに震える、パニックになる

これらはドッグランで慣らす話ではありません。陽性強化を用いる行動の専門家に相談してください。 無理に会わせ続けると悪化します。

最後に

ドッグランは、行く前に9割決まっています。

呼んだら来る。他の犬を見ても落ち着いていられる。この2つができていれば、当日は「見守って、楽しいうちに帰る」だけです。

散歩中に他の犬が見えたときの愛犬の様子を、まず観察するところから始めてください。

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