犬の反抗期(思春期)で急にできなくなる理由と対処

生後6〜18ヶ月ごろ、それまでできていた「おすわり」や呼び戻しを急に無視し始めることがあります。これはしつけが失敗したのではなく、思春期(adolescence)の正常な発達です。犬種で時期は前後し、小型犬は早め・大型犬は遅めに来ます。

なぜ急にできなくなるのか

この時期は脳が再配線され、感情や衝動が先に育ち、自制がまだ追いつきません。その結果、反応が鈍る・誘惑に弱くなる・新しい物を急に怖がるといった変化が出ます。一時的なもので、対応を誤らなければ必ず戻ります。

なお、保護施設に犬が手放される最も多い年齢がこの思春期です。「裏切られた」と感じてやめてしまう飼い主が多いから。乗り越え方を知っておけば防げます。

やってはいけないこと

  • 罰を強める:不安や反抗を悪化させ、関係を壊します。
  • 難しい条件で繰り返し失敗させる:「できない」が定着します。
  • 呼び戻しを叱りに使う:来たら嫌なことが起きると学習し、二度と来なくなります。

立て直しの手順

  1. 難易度を一段下げる:今できない条件ではなく、確実にできる易しい条件に戻す。成功体験を取り戻すのが最優先。
  2. 強化を増やす:この時期だけは、できたご褒美を一時的に手厚くする。
  3. 管理でカバーする:呼び戻しが不安定な間は、おいで(呼び戻し)をロングリードを付けた状態だけで練習し、ノーリードにしない。
  4. 落ち着く練習を続ける落ち着いて(settle)で、興奮を自分で下げる経験を積む。
  5. 社会化を止めない:怖がりが出ても、嫌がる手前で止めて良い経験に。無理強いしない。

散歩・呼び戻しが特に崩れやすい

思春期は外の誘惑に一気に弱くなります。リードを張らない歩行が崩れたら距離や場所を易しく戻す、呼び戻しは呼んでも来ないの対処を参照してください。

焦らず、易しい条件で成功を積み直すこと。これがいちばんの近道です。