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犬のカロリー計算・フードの量

体重・年齢・体型と、フードの袋にある「kcal/100g」を入れると、愛犬の1日に必要なカロリーと、1日・1回に与えるフードのグラム数、おやつの上限がすぐに出ます。獣医師が使う式(RER × 係数)で計算し、係数の出典も示しています。

kg
年齢
歳
か月
避妊・去勢
運動量
体型(ボディコンディションスコア)

肋骨を指でなでて、上と横から見て近いものを選びます。見方

kcal / 100g

袋の成分表示にある「代謝エネルギー」の値です。「kcal/kg」なら10で割ってください。メーカーごとの違いは、この数字で反映されます。

ウェットフード・おやつ・食事の回数も入れる
kcal / 100g
g / 日
kcal / 日

しつけのごほうびも含めます。その分をフードから差し引きます。

体重を入れると、ここに結果が出ます

フードのカロリー(kcal/100g)も入れると、グラム数まで出ます。

結果の読み方

表示意味使い方
1日のフードの量(g)1日に必要なカロリーから、おやつと2つめのフードの分を引き、フードのkcal/100gで割った量キッチンスケールで量ります。カップは粒の大きさで重さが変わります
1回の量1日の量を、食事の回数で割った量回数は年齢に合わせた一般的な目安です。変えても1日の合計は同じです
1日に必要なカロリー維持エネルギー要求量(MER)。RERに係数を掛けた値この値から始め、始めのうちは2週間ごとに体重と体型を見て増減します(WSAVA)
出典による幅出典ごとに係数が違うときの、低いほう〜高いほうのカロリー室内中心で動きが少なければ低いほうに寄せます
RER(安静時)静かに休んでいるときに使うエネルギー減量の目安(理想体重のRER × 1.0)の基準にもなります
計算に使った体重体型が太め(BCS 6〜9)なら推定した理想体重、それ以外は今の体重理想体重は推定です。動物病院で確かめてもらうと確実です
おやつの上限1日に必要なカロリーの10%これ未満に収めます。与えた分はフードから減らします
WSAVAの目安表世界小動物獣医師会が示す、理想体型の健康な成犬の体重別の幅計算結果が極端でないかの照合に使います(成犬・2〜49kgのみ)

計算のしかた

式・係数・前提をすべて示します

1. 安静時エネルギー要求量(RER)

RER(kcal/日)= 70 × 体重(kg)0.75

Merck獣医マニュアル、AAHA(米国動物病院協会)の2021年の指針、Pet Nutrition Allianceの資料に共通して載っている式です。Merckには2kgを超える犬に使える直線の式(30 × 体重 + 70)も載っていますが、このツールはどの体重にも使える0.75乗の式を使います。0.75乗はスマートフォンの関数電卓の「xy」で計算できます。

2. 1日に必要なカロリー(MER)= RER × 係数

係数は出典によって少しずつ違います。このツールで使う値と、出典ごとの値を並べます。

区分このツールAAHA 2021MerckPNA
子犬・生後4か月未満3.03.03.02〜3
子犬・4か月〜成長が終わるまで2.02.02.0
成犬・避妊去勢済み・運動ふつう1.61.4〜1.61.61.6
成犬・未避妊未去勢・運動ふつう1.81.6〜1.81.81.8
運動少なめ・太りやすい1.21.0〜1.21.41.2〜1.4
運動多め(AAHAの「軽い作業」)2.01.6〜2.0——
減量(理想体重のRERに掛ける)1.0(参考表示)1.0—1.0
シニア専用の値なし記載なし記載なし記載なし
  • 成犬の「ふつう」は1.6(避妊去勢済み)と1.8(未避妊未去勢)を使います。MerckとPNAの値で、AAHAの幅の上の端にあたります。AAHAは「室内中心で活動の少ない犬は、表より少なくてよいことがある」と注記しているため、結果には出典の幅も並べて出します。
  • 「少なめ」は1.2を使います。AAHA(1.0〜1.2)とPNA(1.2〜1.4)が重なる値です。Merckの「太りやすい犬」は1.4で、結果の幅は1.0〜1.4で示します。
  • 「多め」は2.0を使います。AAHAの「軽い作業」(1.6〜2.0)の上の端です。牧羊・そり・狩猟などの作業犬は、AAHAで「中程度の作業」2.0〜5.0とされ、幅が大きすぎるためこのツールでは扱いません。
  • 子犬は避妊去勢・運動量・体型を使わず、月齢の係数だけで計算します。成長期の終わりは、AAHAによると小型〜中型犬で1歳ごろ、大型・超大型犬では15〜16か月ごろのことがあります。1歳を過ぎてもまだ成長中なら、ツールの「まだ成長期」にチェックを入れてください。
  • シニア犬の専用の係数は、確認した出典には載っていません。AAHAのシニアケア指針は「必要量は一生のうちに下がっていくことが多い」とし、欧州ペットフード工業会の科学諮問委員会は「高齢犬のエネルギー要求量についての実験データは今のところない」として、体型を見て量を決めるよう勧めています。そこでこのツールでは、動きが減っていれば「少なめ」を選んでもらう形にしています。AAHAはシニア期を「推定寿命の最後の25%」と定義しているので、犬種を選ぶと寿命の目安から始まりの年齢を出します。

3. 太めの犬は理想体重で計算する

AAHAの指針は、太っている犬の必要量は理想体重をもとに計算するよう勧めています。同じ指針の表2では、9段階の体型スコア(BCS)で5を超えると1段階ごとに約10%体重が多い、とされています。

理想体重 = 今の体重 ÷(1 + 0.1 ×(BCS − 5))

BCS体重の超過(AAHA表2)体脂肪率(同)理想体重の求め方例:今10kg
4〜5理想15〜24%今の体重のまま10kg
610%25〜29%今の体重 ÷ 1.19.1kg
720%30〜34%今の体重 ÷ 1.28.3kg
830%35〜39%今の体重 ÷ 1.37.7kg
940%40〜45%以上今の体重 ÷ 1.47.1kg

AAHAの表2には、体脂肪率から理想体重を出す式(今の体重 ×(100 − 体脂肪率)÷ 100 ÷ 0.8。理想体重のうち体脂肪を20%と仮定)も添えられています。ツールではこの式で出した幅も「体脂肪率から見た幅」として並べます。どちらの方法でも、ほぼ同じ値になります。

BCS 1〜3(やせ気味〜やせすぎ)の犬について、理想体重を推定する方法は確認した出典にはありません。このツールは今の体重で計算し、動物病院での確認をすすめる表示を出します。AAHAは、BCSが4未満または5を超える犬には、くわしい栄養の評価を勧めています。

体型の見方は、WSAVAの体型スコア表を要約したものです。ツールの小さな図は、上から見たときのくびれの変化だけを示した模式図です。

4. フードの量とおやつ

フードの量(g/日) =(1日に必要なカロリー − おやつ − 2つめのフードのカロリー)÷ フードのkcal/100g × 100

おやつの上限(kcal/日) = 1日に必要なカロリー × 10%(これ未満に)

おやつを1日のカロリーの10%未満にするのは、WSAVAの飼い主向け資料とAAHAの指針に共通する勧めです。AAHAは、主食の総合栄養食を90%以上にするよう説明しています。

5. 食事の回数

月齢・年齢回数(AKCの目安)ツールの初期値
生後3か月ごろまで1日4回4回
3〜6か月この間に4回から3回へ減らす3回
6〜12か月1日2回を始める2回
1歳以降多くの飼い主は1日分を2回に分ける2回

6. 手計算の例

  1. 体重5kg・避妊去勢済み・運動ふつうの成犬(BCS 5)、フード350kcal/100g
    RER = 70 × 50.75 = 70 × 3.344 = 234kcal。1日 = 234 × 1.6 = 374kcal(AAHAの幅1.4〜1.6なら328〜374kcal)。
    フード = 374 ÷ 350 × 100 = 107g/日、1日2回なら1回53.5g。おやつの上限は37kcal未満。WSAVAの目安表では5kgの成犬は280〜351kcalです。
  2. 生後3か月・体重3kgの子犬、子犬用フード400kcal/100g
    RER = 70 × 30.75 = 160kcal。1日 = 160 × 3.0 = 479kcal。フード = 120g/日、1日3回なら1回39.9g。4か月になると係数は2.0に下がりますが、そのころには体重も増えているので、量り直して計算します。
  3. 体重10kg・BCS 7・避妊去勢済み・運動ふつう
    理想体重 = 10 ÷ 1.2 = 8.3kg。RER = 70 × 8.30.75 = 343kcal。1日 = 343 × 1.6 = 549kcal(今の10kgのまま計算すると630kcal)。減量の目安は理想体重のRER × 1.0 = 343kcalで、動物病院で相談して進めます。

限界と注意

この結果は「最初の量」を決めるための目安です。同じ体重・同じ条件でも、必要なカロリーは犬によって±30%ほど違います(Merck獣医マニュアル、WSAVA 2011年の指針)。PNAとWSAVAの飼い主向け資料は、最大50%違うこともあるとしています。

  • 体重を量り、体型を見て調整します。WSAVAは、始めのうちは2週間ごとに量を見直し、理想の体重と体型に近づけて保つよう勧めています。体重が増えていれば少し減らし、減っていれば少し増やします。
  • 犬種による違い:同じ体重でも犬種で必要量が違うことが知られています(Merckは、ニューファンドランドはグレート・デーンより少ないカロリーで足りるようだと紹介しています)。犬種を選ぶと表示される体重は、成犬の標準的な範囲の参考です。
  • 子犬:成長期は体重が毎週のように変わり、必要量も変わります。体重を量るたびに計算し直してください。大型・超大型犬の子犬は、AAHAが引き締まった体型を保ち、カルシウムを摂りすぎないよう勧めています。
  • 妊娠・授乳中の犬は必要量が大きく変わるため(AAHAでは授乳期にRERの3.0〜6.0倍以上)、このツールでは扱いません。動物病院で相談してください。
  • 病気のある犬、療法食を食べている犬は、このツールを使わず、獣医師の指示に従ってください。手作り食も、栄養のバランスは別に確認が必要です。
  • 理想体重を保つのに必要な量が、ふつうより極端に少ないときは、甲状腺機能低下症などの病気が隠れていないか確かめることが勧められています(Merck)。

動物病院に相談する目安:AAHAは、体型スコアが4未満か5を超えるとき、筋肉が少しでも落ちているとき、理由のわからない体重の変化があるときに、くわしい栄養の評価を勧めています。食べないときの目安は犬がご飯を食べないときにまとめています。

よくある質問

犬の1日に必要なカロリーはどう計算しますか?

まず安静時エネルギー要求量(RER)を「70 × 体重(kg)の0.75乗」で出し、年齢・避妊去勢・運動量に応じた係数を掛けます。たとえば体重5kgで避妊・去勢済みの成犬なら、RERは約234kcal、係数1.6を掛けて1日約374kcalです。この式と係数は米国動物病院協会(AAHA)やMerck獣医マニュアルに載っているもので、個体差があるため出発点として使います。

フードの袋に書いてある量と、計算した量が違うのはなぜですか?

どちらも「平均的な犬」を想定した目安だからです。AAHAの指針は、袋の給与量の出し方は統一されていないため、できればRERと係数から計算するよう勧めています。WSAVA(世界小動物獣医師会)は、袋の表示も計算も出発点であり、そこから体重と体型を見て調整するよう説明しています。

おやつはどれくらいまで与えてよいですか?

WSAVAとAAHAは、おやつを1日のカロリーの10%未満にするよう勧めています。このツールでは1日の必要量の10%を上限として表示し、おやつのカロリーを入れると、その分をフードから差し引いて計算します。

子犬のフードの量はどう決めますか?

成長期は係数が大きく、生後4か月未満はRERの3.0倍、4か月以降は2.0倍が目安です(AAHA・Merck)。体重が増えるたびに必要量が変わるので、体重を量るたびに計算し直してください。食事の回数は、生後3か月ごろまでは1日4回、3〜6か月で3回へ、6か月以降は2回が一般的です(AKC)。

太っている犬は、今の体重で計算してよいですか?

AAHAの指針は、太っている犬は理想体重をもとに計算するよう勧めています。9段階の体型スコアで5を超えると1段階ごとに約10%体重が多いとされるため、このツールはその関係から理想体重を推定して計算します。減量は動物病院で計画を立て、体重の減り方を見ながら進めてください。

シニア犬の係数はいくつですか?

今回確認した出典(AAHA、Merck獣医マニュアル、欧州ペットフード工業会の科学諮問委員会)には、シニア犬専用の係数は載っていません。AAHAは年齢とともに必要量が下がることが多いとしています。このツールでは、運動量が落ちていれば「少なめ」を選び、体重と体型を見ながら調整する方法をとっています。

関連するページ

出典

  1. AAHA(米国動物病院協会)「2021 AAHA Nutrition and Weight Management Guidelines for Dogs and Cats」 獣医師団体の指針。このページでの使いどころ:RERの式、係数の幅(Box 1)、BCSと体重超過の関係(表2)、おやつ10%以下、成長期の終わり
  2. Merck Veterinary Manual「Nutritional Requirements of Small Animals」 獣医学の標準的な参考書。このページでの使いどころ:RERの式、同じ体重でも±30%の差、犬種による差
  3. Merck Veterinary Manual「Daily Maintenance Energy Requirements for Dogs and Cats」(表) 獣医学の標準的な参考書。このページでの使いどころ:係数(避妊去勢1.6、未去勢1.8、太りやすい1.4、子犬3.0/4か月以降2.0)
  4. Pet Nutrition Alliance「Calculating Calories Based on Pet Needs」 獣医師団体などの連合。このページでの使いどころ:係数(表1)、個体差は最大50%
  5. WSAVA(世界小動物獣医師会)「Calorie Ranges for an Average Healthy Adult Dog in Ideal Body Condition」(2020年7月更新) 獣医師団体の資料。このページでの使いどころ:成犬の体重別の目安表(結果の照合に使用)
  6. WSAVA「Feeding treats to your dog」 獣医師団体の飼い主向け資料。このページでの使いどころ:おやつは1日のカロリーの10%未満
  7. WSAVA「Body Condition Score(犬)」 獣医師団体の資料。このページでの使いどころ:9段階の体型スコアの説明(要約して使用)
  8. WSAVA「Frequently Asked Questions and Myths」 獣医師団体の飼い主向け資料。このページでの使いどころ:袋の表示は出発点、最初は2週間ごとに調整、個体差は最大50%
  9. WSAVA Global Nutrition Committee「WSAVA Nutritional Assessment Guidelines」(2011) 獣医師団体の指針。このページでの使いどころ:犬の必要量は±30%の幅がある
  10. AAHA「2023 AAHA Senior Care Guidelines for Dogs and Cats」 獣医師団体の指針。このページでの使いどころ:シニア期の定義(推定寿命の最後の25%)、必要量は年齢とともに下がることが多い
  11. FEDIAF(欧州ペットフード工業会)科学諮問委員会「Nutrition of senior dogs」 業界団体の科学委員会の声明。このページでの使いどころ:高齢犬のエネルギー要求量の実験データはまだない
  12. AKC(アメリカンケネルクラブ)「Puppy Feeding Fundamentals」 犬種登録団体の飼い主向け記事。このページでの使いどころ:月齢ごとの食事の回数

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