LIMA
効果が見込める方法のうち、犬への負担と不快さが最も少ないものから選ぶ考え方。
LIMAは「Least Intrusive, Minimally Aversive(最も侵襲が少なく、嫌悪刺激が最小限)」の頭文字で、トレーナーや行動コンサルタントが方法を選ぶときの考え方です。人道的で効果が見込める方法のなかから、犬の自由や選択をなるべく奪わず、不快さの最も少ないものを選ぶことを求めます。陽性強化を最初に検討すべき方法とし、LIMAは他の有効な方法の代わりに罰を使う理由にはならない、とされています。
この考え方には「人道的な介入の順序(ヒューメイン・ヒエラルキー)」が添えられています。まず健康・栄養・体の問題を獣医師が確認し、次に環境や合図など行動のきっかけを整え、陽性強化、代わりの行動の強化へと進みます。負の罰・負の強化・消去はその後で、正の罰は最後の段階に置かれています。
飼い主にとっての実践はシンプルで、「やめさせたいこと」ではなく「代わりにしてほしいこと」を考えるところから始まります。困った行動があれば、まず体調を疑い、次に環境を工夫し、望ましい行動をほめて育てます。なお米国獣医動物行動学会(AVSAB)は、問題行動の治療を含むすべての犬のトレーニングで、ごほうびを使う方法だけを用いることを推奨しています。
例
散歩中に拾い食いをする犬。LIMAの順で考え、まず体調や食事量に問題がないかを確認します。次に落ちている物が多い道を避ける、リードを短めに持つなど環境を整え、そのうえで「リーブイット(放っておく)」や「ちょうだい」を教えてほめます。叱ったりリードを強く引いたりせずに、拾い食いの機会そのものが減っていきます。
よくある間違い
- LIMAを「ほかがだめなら罰を使ってよい」という許可だと受け取る
- 体調や環境を確かめる前に、いきなりトレーニングや道具で行動を抑えようとする


