ランキング・比べる

おとなしい犬種ランキング|運動量と吠えにくさで比べる小型犬・中型犬・大型犬

出典あり

芝生にあごをつけて伏せる、ブレンハイムのキャバリア(運動量の評価が3の、落ち着いた段の犬種)
Photo: Filip B(CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons)

散歩に長い時間は取れない。家の中で落ち着いて過ごしてほしい。集合住宅なので、できれば静かな犬がいい。そんな家族が探すのが「おとなしい犬種」です。

先に答えを書きます。「おとなしい」には、運動量が少ないことと、吠えにくいことの2つの意味があります。日本で多い犬種を、AKCの評価で2つとも見ると、運動量が3(日本で多い犬種ではいちばん少ない段)で、吠えやすさが1〜2なのは、フレンチブルドッグ・ゴールデンレトリバー・パグ・ペキニーズ・ブルドッグの5犬種です。

ひとつ知っておいてほしいのは、日本で多い36犬種のなかに、AKCで運動量が「1」や「2」の犬種は1つもないことです。散歩がほとんど要らない犬種はいません。

ものさし運動量(AKCの5段階評価・少ない順)

小型犬中型犬大型犬

出典:AKC(アメリカンケネルクラブ)の犬種ページ。36犬種。大きさの区分は平均体重 10kg未満=小型、10〜20kg=中型、20kg以上=大型(アニコムの白書と同じ)

この記事で学べること

  • 日本で多い36犬種の、運動量の段(大きさ別も)
  • 運動量と吠えにくさを合わせて見た「おとなしい犬種」
  • おとなしい犬種に多い、体の注意点
  • 子犬期のこと、落ち着いた犬に育てる習慣

今日やることは1つです。候補の犬種でも、1日の散歩と遊びに何分使えるかを家族で書き出してください。

記事執筆における出典

運動量と吠えやすさは、AKC(アメリカンケネルクラブ:米国最大の犬種登録団体)が犬種ごとに公開している5段階評価です。対象は、日本のペット保険アニコムの『家庭どうぶつ白書2025』で頭数の多い犬種(AKCの評価が無いカニーンヘン・ダックスフンドを除く36犬種)。病気のデータも同じ白書からです。犬種と行動の関係は2022年の『Science』の研究を使います。1頭ごとの性格の見分け方の断定や、不安の強い犬の治療には踏み込みません。

運動量で見る:大きさ別

数字が小さいほど、のんびりした犬種です。

ものさし運動量(AKCの5段階評価・少ない順)(小型犬)

出典:AKC(アメリカンケネルクラブ)の犬種ページ。小型犬・21犬種。大きさの区分は平均体重 10kg未満=小型、10〜20kg=中型、20kg以上=大型(アニコムの白書と同じ)

ものさし運動量(AKCの5段階評価・少ない順)(中型犬)

出典:AKC(アメリカンケネルクラブ)の犬種ページ。中型犬・9犬種。大きさの区分は平均体重 10kg未満=小型、10〜20kg=中型、20kg以上=大型(アニコムの白書と同じ)

ものさし運動量(AKCの5段階評価・少ない順)(大型犬)

出典:AKC(アメリカンケネルクラブ)の犬種ページ。大型犬・6犬種。大きさの区分は平均体重 10kg未満=小型、10〜20kg=中型、20kg以上=大型(アニコムの白書と同じ)

大型犬でも、ゴールデンレトリバーとブルドッグは運動量3の段です。逆に小型犬でも、ジャックラッセルテリアとミニチュアピンシャーは5(とても多い)です。体が小さい=運動が少なくていい、ではありません。

運動量と吠えにくさ、両方で見る

運動量が3の16犬種を、吠えやすさの評価で分けると次のようになります。

吠えやすさ運動量が3の犬種
1〜2(知らせる程度)フレンチブルドッグ、ゴールデンレトリバー、パグ、ペキニーズ、ブルドッグ
3(ふつう)柴犬、マルチーズ、シーズー、キャバリア、イタリアングレーハウンド、日本スピッツ、甲斐犬、イングリッシュコッカースパニエル
4〜5(よく吠える)ポメラニアン、ミニチュアダックスフンド、ミニチュアシュナウザー

上の段の5犬種が、2つの物差しのどちらでも控えめな犬種です。吠えにくさだけで比べたいときは、吠えにくい犬種ランキングも見てください。

おとなしい犬種に多い、体の注意点

上の段の5犬種のうち、ゴールデンレトリバー以外の4犬種は鼻の短い「短頭種」です。短頭種は息がしにくく暑さに弱いので、もともと激しい運動には向きません。日本の保険データ(アニコム、0〜12歳)では、のどの奥の軟口蓋が長すぎて息がしにくくなる「軟口蓋過長症」が、ほかの犬種と比べてフレンチブルドッグで約22倍、パグで約22倍多くなっています。

また、ゴールデンレトリバーは日本の平均寿命が10.7歳で、白書の40品種の中では短い側です。落ち着いた性格かどうかと、体が丈夫かどうかは、分けて確かめてください。各犬種ページの「日本のデータで見る」にまとめています。

子犬のうちは、どの犬種も活発

ランキングは成犬の傾向です。子犬はどの犬種でも、よく動き、よくかじり、よく遊びます。「おとなしい犬種だから」と思って迎えて、子犬期の元気さに驚く家族は少なくありません。

また、2022年に『Science』に載った研究では、犬の行動の違いのうち犬種で説明できるのは約9%で、年齢のほうがよく当てはまる行動もありました。落ち着きは、年齢と暮らし方で育つ部分が大きいのです。

落ち着いた犬に育てる習慣

  1. 運動と遊びは「足りるだけ」。 運動量3の犬種でも、毎日の散歩は必要です。足りないと、家の中で発散します。
  2. くつろぐ場所を教える。 マットやベッドの上でリラックスしたらほめる(マットで落ち着く)。
  3. 頭を使う遊びを少し。 鼻を使う遊びは、短い時間でも満足しやすい遊びです。
  4. 寝る時間を守る。 子犬は1日の大半を寝て過ごします。眠りが足りないと、興奮しやすくなります。

よくある質問

いちばんおとなしい犬種は何ですか? 日本で多い犬種を AKC の評価で見ると、運動量が3で吠えやすさが1〜2のフレンチブルドッグ・ゴールデンレトリバー・パグ・ペキニーズ・ブルドッグが、どちらの物差しでも控えめです。

おとなしい小型犬は? 運動量が3の小型犬は、ミニチュアダックスフンド・ポメラニアン・ミニチュアシュナウザー・マルチーズ・シーズー・パグ・キャバリア・ペキニーズ・イタリアングレーハウンド・日本スピッツです。このうち吠えやすさも1なのはパグとペキニーズです。

散歩がいらない犬種はいますか? いません。日本で多い36犬種には、AKCで運動量が1〜2の犬種はなく、いちばん少ない段でも3(ふつう)です。

おとなしい大型犬はいますか? ゴールデンレトリバーとブルドッグは、運動量3・吠えやすさ1〜2の段です。ただ、大型犬は体が大きいぶん、引っ張られたときの力や、移動・通院の大変さも考えておきましょう。

最後に

「おとなしい」は、犬種で決まる部分と、暮らしで育つ部分があります。運動量の少ない犬種を選ぶことは助けになりますが、いちばん効くのは、足りるだけの散歩と、くつろいでいるときにほめる毎日の積み重ねです。最初に変化が見えるのは、マットの上で愛犬が自分から伏せた瞬間です。

ほかの物差しでも比べたいときは、犬種ランキングの比較表で並べ替えられます。

出典

無料PDF・登録不要

犬種えらびブック

日本で多い37犬種を、人気・寿命・抜け毛・吠えにくさなど同じものさしで比べる。家族の条件シートと相談シートつき。

  • A4・34ページ
  • 印刷して書き込める
  • 登録不要