おとなしい犬種ランキング|運動量と吠えにくさで比べる小型犬・中型犬・大型犬
散歩に長い時間は取れない。家の中で落ち着いて過ごしてほしい。集合住宅なので、できれば静かな犬がいい。そんな家族が探すのが「おとなしい犬種」です。
先に答えを書きます。「おとなしい」には、運動量が少ないことと、吠えにくいことの2つの意味があります。日本で多い犬種を、AKCの評価で2つとも見ると、運動量が3(日本で多い犬種ではいちばん少ない段)で、吠えやすさが1〜2なのは、フレンチブルドッグ・ゴールデンレトリバー・パグ・ペキニーズ・ブルドッグの5犬種です。
ひとつ知っておいてほしいのは、日本で多い36犬種のなかに、AKCで運動量が「1」や「2」の犬種は1つもないことです。散歩がほとんど要らない犬種はいません。
ものさし運動量(AKCの5段階評価・少ない順)
小型犬中型犬大型犬
3
4
この記事で学べること
- 日本で多い36犬種の、運動量の段(大きさ別も)
- 運動量と吠えにくさを合わせて見た「おとなしい犬種」
- おとなしい犬種に多い、体の注意点
- 子犬期のこと、落ち着いた犬に育てる習慣
今日やることは1つです。候補の犬種でも、1日の散歩と遊びに何分使えるかを家族で書き出してください。
記事執筆における出典
運動量と吠えやすさは、AKC(アメリカンケネルクラブ:米国最大の犬種登録団体)が犬種ごとに公開している5段階評価です。対象は、日本のペット保険アニコムの『家庭どうぶつ白書2025』で頭数の多い犬種(AKCの評価が無いカニーンヘン・ダックスフンドを除く36犬種)。病気のデータも同じ白書からです。犬種と行動の関係は2022年の『Science』の研究を使います。1頭ごとの性格の見分け方の断定や、不安の強い犬の治療には踏み込みません。
運動量で見る:大きさ別
数字が小さいほど、のんびりした犬種です。
ものさし運動量(AKCの5段階評価・少ない順)(小型犬)
5とても多い
ものさし運動量(AKCの5段階評価・少ない順)(中型犬)
ものさし運動量(AKCの5段階評価・少ない順)(大型犬)
大型犬でも、ゴールデンレトリバーとブルドッグは運動量3の段です。逆に小型犬でも、ジャックラッセルテリアとミニチュアピンシャーは5(とても多い)です。体が小さい=運動が少なくていい、ではありません。
運動量と吠えにくさ、両方で見る
運動量が3の16犬種を、吠えやすさの評価で分けると次のようになります。
| 吠えやすさ | 運動量が3の犬種 |
|---|---|
| 1〜2(知らせる程度) | フレンチブルドッグ、ゴールデンレトリバー、パグ、ペキニーズ、ブルドッグ |
| 3(ふつう) | 柴犬、マルチーズ、シーズー、キャバリア、イタリアングレーハウンド、日本スピッツ、甲斐犬、イングリッシュコッカースパニエル |
| 4〜5(よく吠える) | ポメラニアン、ミニチュアダックスフンド、ミニチュアシュナウザー |
上の段の5犬種が、2つの物差しのどちらでも控えめな犬種です。吠えにくさだけで比べたいときは、吠えにくい犬種ランキングも見てください。
おとなしい犬種に多い、体の注意点
上の段の5犬種のうち、ゴールデンレトリバー以外の4犬種は鼻の短い「短頭種」です。短頭種は息がしにくく暑さに弱いので、もともと激しい運動には向きません。日本の保険データ(アニコム、0〜12歳)では、のどの奥の軟口蓋が長すぎて息がしにくくなる「軟口蓋過長症」が、ほかの犬種と比べてフレンチブルドッグで約22倍、パグで約22倍多くなっています。
また、ゴールデンレトリバーは日本の平均寿命が10.7歳で、白書の40品種の中では短い側です。落ち着いた性格かどうかと、体が丈夫かどうかは、分けて確かめてください。各犬種ページの「日本のデータで見る」にまとめています。
子犬のうちは、どの犬種も活発
ランキングは成犬の傾向です。子犬はどの犬種でも、よく動き、よくかじり、よく遊びます。「おとなしい犬種だから」と思って迎えて、子犬期の元気さに驚く家族は少なくありません。
また、2022年に『Science』に載った研究では、犬の行動の違いのうち犬種で説明できるのは約9%で、年齢のほうがよく当てはまる行動もありました。落ち着きは、年齢と暮らし方で育つ部分が大きいのです。
落ち着いた犬に育てる習慣
- 運動と遊びは「足りるだけ」。 運動量3の犬種でも、毎日の散歩は必要です。足りないと、家の中で発散します。
- くつろぐ場所を教える。 マットやベッドの上でリラックスしたらほめる(マットで落ち着く)。
- 頭を使う遊びを少し。 鼻を使う遊びは、短い時間でも満足しやすい遊びです。
- 寝る時間を守る。 子犬は1日の大半を寝て過ごします。眠りが足りないと、興奮しやすくなります。
よくある質問
いちばんおとなしい犬種は何ですか? 日本で多い犬種を AKC の評価で見ると、運動量が3で吠えやすさが1〜2のフレンチブルドッグ・ゴールデンレトリバー・パグ・ペキニーズ・ブルドッグが、どちらの物差しでも控えめです。
おとなしい小型犬は? 運動量が3の小型犬は、ミニチュアダックスフンド・ポメラニアン・ミニチュアシュナウザー・マルチーズ・シーズー・パグ・キャバリア・ペキニーズ・イタリアングレーハウンド・日本スピッツです。このうち吠えやすさも1なのはパグとペキニーズです。
散歩がいらない犬種はいますか? いません。日本で多い36犬種には、AKCで運動量が1〜2の犬種はなく、いちばん少ない段でも3(ふつう)です。
おとなしい大型犬はいますか? ゴールデンレトリバーとブルドッグは、運動量3・吠えやすさ1〜2の段です。ただ、大型犬は体が大きいぶん、引っ張られたときの力や、移動・通院の大変さも考えておきましょう。
最後に
「おとなしい」は、犬種で決まる部分と、暮らしで育つ部分があります。運動量の少ない犬種を選ぶことは助けになりますが、いちばん効くのは、足りるだけの散歩と、くつろいでいるときにほめる毎日の積み重ねです。最初に変化が見えるのは、マットの上で愛犬が自分から伏せた瞬間です。
ほかの物差しでも比べたいときは、犬種ランキングの比較表で並べ替えられます。
出典
- Dog Breeds — 各犬種のEnergy Level / Barking Level(American Kennel Club)
- アニコム 家庭どうぶつ白書2025(アニコム損害保険、PDF) ── 対象にした犬種、品種別の「他犬種に比べ罹りやすい疾患」、犬種別の平均寿命
- Morrill K et al. Ancestry-inclusive dog genomics challenges popular breed stereotypes(Science, 2022)
- Contrary to popular belief, your dog’s breed won’t predict its behavior(Phys.org, 2022)


