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飼いやすい犬種ランキング|6つの条件で比べた結果と、選ぶ前に知りたい健康のこと

出典あり

白と茶色の長い毛のシーズーの横顔(6つの条件のうち5つに当てはまった犬種)
Photo: Mostafameraji(CC0, Wikimedia Commons)

初めて犬を飼うから、飼いやすい犬種がいい。でも「飼いやすい犬ランキング」を見ると、サイトごとに1位が違います。基準が書かれていないことも多く、何を信じればいいのか迷います。

先に答えを書きます。「飼いやすい」は、ひとつの物差しでは決まりません。そこでこの記事では、抜け毛・吠えにくさ・運動量・しつけの入りやすさ・子どもとの相性・お手入れの6つの条件に分けて、日本で多い36犬種がいくつ当てはまるかを数えました。6つ全部に当てはまったのはキャバリア、5つはフレンチブルドッグ・シーズー・ゴールデンレトリバー・パグ・ボストンテリアです。

ただ、この上位には大事な落とし穴があります。性格や手入れの「飼いやすさ」が高い犬種に、寿命が短い犬種や、かかりやすい病気がはっきりしている犬種が多いのです。「飼いやすい」で選ぶなら、健康のことも必ずあわせて見てください。

この記事で学べること

  • 6つの条件で比べた「飼いやすい犬種」(条件と基準つき)
  • 性格の飼いやすさと、寿命・病気のずれ
  • 暮らし(マンション・共働き・アレルギー・子ども)ごとの選び方
  • どの犬種でも飼いやすさを左右すること

今日やることは1つです。6つの条件のうち、家族にとって外せない条件を2つだけ決めてください。

記事執筆における出典

6つの条件は、AKC(アメリカンケネルクラブ:米国最大の犬種登録団体)が犬種ごとに公開している5段階評価です。対象は、日本のペット保険アニコムの『家庭どうぶつ白書2025』で頭数の多い犬種(AKCの評価が無いカニーンヘン・ダックスフンドを除く36犬種)。平均寿命とかかりやすい病気も、同じ白書の日本のデータです。どの条件を大事にするかは家族によって違うので、この記事では、条件をまとめて1つの点数にすることはしていません。 当てはまる数は「見比べる手がかり」として使ってください。

6つの条件と基準

条件当てはまる基準(AKCの5段階)
抜け毛が少ない抜け毛が2以下
吠えにくい吠えやすさが3以下
運動量が少なめ運動量が3以下(日本で多い犬種ではいちばん少ない段)
しつけが入りやすいしつけの入りやすさが4以上
子どもと相性が良い小さな子どもとの相性が5
お手入れが楽被毛のお手入れの手間が2以下

当てはまる条件が多い犬種

条件に4つ以上当てはまった犬種です。右の2列は、日本の平均寿命と、日本の保険データでほかの犬種より多い病気(代表的なもの)です。

犬種大きさ当てはまる条件平均寿命ほかの犬種より多い病気
キャバリア小型6(全部)12.4歳角膜ジストロフィー(約12倍)、心臓の弁膜症(約7倍)
フレンチブルドッグ中型5(抜け毛以外)11.1歳軟口蓋過長症(約22倍)、中耳炎(約19倍)
シーズー小型5(手入れ以外)14.0歳まつ毛の病気(約14倍)、ドライアイ(約9.5倍)
ゴールデンレトリバー大型5(抜け毛以外)10.7歳血管肉腫(約18倍)、耳血腫(約17倍)
パグ小型5(抜け毛以外)12.6歳軟口蓋過長症(約22倍)、肥満細胞腫(約13倍)
ボストンテリア小型5(運動量以外)11.8歳角膜ジストロフィー(約7.5倍)、肥満細胞腫(約6.8倍)
ミニチュアダックスフンド小型414.7歳椎間板ヘルニア(約4.1倍)
ラブラドールレトリバー大型412.7歳変形性関節症(約6.6倍)
ビションフリーゼ小型415.0歳角膜ジストロフィー(約7.9倍)
イタリアングレーハウンド小型414.4歳前足の骨折(約11倍)
日本スピッツ小型413.2歳口の中のけが(歯折など、約3.3倍)
イングリッシュコッカースパニエル中型412.4歳(日本のデータなし)

「約〇倍」は、アニコムの保険請求(0〜12歳)から出した、ほかの犬種と比べた多さ(オッズ比)です。その犬種が必ずかかるという意味ではありません。

性格の飼いやすさと、健康は別

上の表を見ると、条件に5つ以上当てはまった6犬種には、平均寿命が日本の犬全体(14.1歳)に届く犬種がありません。いちばん長いシーズーでも14.0歳です。

  • フレンチブルドッグ・パグ・ボストンテリア・シーズーは鼻の短い短頭種で、暑さに弱く、呼吸や目のトラブルが多めです。
  • キャバリアは、心臓の弁膜症がほかの犬種の約7倍。迎える前に、親犬の心臓の検査歴を確かめたい犬種です。
  • ゴールデンレトリバーは、日本の平均寿命が10.7歳で、白書の40品種の中では短い側です。

性格や手入れの面で暮らしやすい犬種でも、病院にかかる回数や費用が多くなることがあります。「飼いやすい」を、毎日の暮らしやすさと、体の丈夫さの2つに分けて考えると、選びやすくなります。日本の平均寿命の順位は寿命が長い犬種ランキングにまとめています。

暮らし別の選び方

外せない条件が決まったら、その物差しのランキングから見ていくのが近道です。

全部の条件を一度に並べ替えたいときは、犬種ランキングの比較表が使えます。

どの犬種でも、飼いやすさを左右すること

2022年に『Science』に載った研究では、犬の行動の違いのうち犬種で説明できるのは約9%でした。どの犬種を選んでも、飼いやすさを大きく左右するのは次のことです。

  1. 最初の数週間の過ごし方。 トイレとハウスを初日から、教える順番を守る(子犬のしつけは何から?)。
  2. 子犬期の社会化。 いろいろな人・音・場所に、怖がらせずに慣らす。
  3. 体に触られる練習。 爪切りや歯みがき、通院が楽になります(体を触られることに慣れる)。
  4. その子自身と親犬を見ること。 犬種の傾向より、目の前の子の性格のほうが確かです。

よくある質問

いちばん飼いやすい犬種は何ですか? 6つの条件(抜け毛・吠え・運動量・しつけ・子ども・手入れ)では、日本で多い犬種でキャバリアが全部に当てはまりました。ただ、心臓の弁膜症がほかの犬種の約7倍と多いので、健康面もあわせて考えてください。

初心者に飼いやすい小型犬は? 条件に5つ当てはまった小型犬はシーズー・パグ・ボストンテリア、4つはミニチュアダックスフンド・ビションフリーゼ・イタリアングレーハウンド・日本スピッツです。平均寿命が長いのは、ビションフリーゼ(15.0歳)・ミニチュアダックスフンド(14.7歳)・イタリアングレーハウンド(14.4歳)・シーズー(14.0歳)です。

飼いやすい中型犬・大型犬は? 中型犬はフレンチブルドッグ(5つ)・イングリッシュコッカースパニエル(4つ)、大型犬はゴールデンレトリバー(5つ)・ラブラドールレトリバー(4つ)です。大型犬は体が大きいぶん、引っ張る力や移動・通院の大変さも考えておきましょう。

トイプードルは飼いやすいですか? 6つの条件では3つ(抜け毛・しつけ・子ども)でした。吠えやすさは4、お手入れの手間は4と高めですが、日本の平均寿命は15.3歳で1位です。覚えが早いので、迎えた日から教え方をそろえれば暮らしやすい犬種です。

最後に

「飼いやすい犬種」は、家族の暮らしと、何を大事にするかで変わります。ランキングの上位を選ぶより、外せない条件を2つ決めて、その物差しで候補を絞り、寿命と病気まで確かめるほうが、迎えてからの「思っていたのと違う」を減らせます。

家族で書き込みながら話し合える犬種えらびブック(無料PDF)もあります。

出典

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犬種えらびブック

日本で多い37犬種を、人気・寿命・抜け毛・吠えにくさなど同じものさしで比べる。家族の条件シートと相談シートつき。

  • A4・34ページ
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