負の強化
犬にとって嫌なものを「取り除く」ことで、その直前の行動を増やす仕組みです。
負の強化は、犬がある行動をしたときに、それまで続いていた不快なもの(首への圧迫、怖い相手など)がなくなり、その行動が増える仕組みです。「負」は「悪い」ではなく「取り除く」という意味です。罰と混同されがちですが、罰は行動を減らし、強化は行動を増やすという点で正反対です。
よく挙げられる例は、首輪やヘッドカラーに圧をかけ続け、犬が求められた動きをしたら緩めるやり方です。行動が増えるのは「嫌なことが終わったから」なので、先に不快なものを与えることが前提になっています。また、犬が唸ったり吠えたりした結果、相手の犬や配達員が去ると、その威嚇が負の強化で強まることもあります。
家庭のトレーニングで、わざわざ使う必要のある方法ではありません。AKCは、陽性強化を中心とするトレーナーは不快なものを使う正の罰や負の強化を使わないと説明しています。唸りや吠えなどの威嚇が続く場合は、獣医行動診療医や認定トレーナー(IAABC・CCPDT-KA)に相談しましょう。
例
散歩中に知らない犬が近づくと吠える犬は、吠えたあとに相手が通り過ぎていくことで「吠えれば怖いものが去る」と学んでいることがあります。このしくみに気づいたら、吠えずにいられる距離を保ち、落ち着いて相手を見られたらごほうびを出します。すると、吠える以外の行動をとる機会が少しずつ増えていきます。
よくある間違い
- 「負」を「悪いこと」の意味だと思い、正の罰と取り違える
- リードや首輪に圧をかけ、従ったら緩める方法を、罰ではないから穏やかな方法だと思い込む
- 吠えるたびに相手が去る経験が重なり、吠えが強まっていることに気づかない


