オーストラリアンラブラドゥードル

ラブラドゥードルの飼い方|性格・大きさ・毛質とトリミング

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黒い巻き毛に白髪まじりの耳のラブラドゥードルが、ハーネスをつけて砂の広場を口を開けて小走りしている
Photo: claralieu(CC BY 2.0, Wikimedia Commons)

「ラブラドゥードルは飼いやすい」と聞いて調べ始めると、すぐに「トリミング代が高い」「毛玉がすごい」「元気すぎる」という声にも出会います。どちらも本当です。

先に答えを書きます。オーストラリアンラブラドゥードルは、協会の犬種基準で賢く、社交的で、陽気、人に扱われるときは穏やかと書かれている犬です。大変なのは性格ではなく、毛・運動・落ち着きの3つです。毛は抜けにくいかわりに伸び続けるので、毎月のトリミングと、毎日のブラッシングが一生続きます。運動は1日1時間ほどが目安です。そして英国の研究では、ラブラドゥードルはラブラドールより興奮しやすさと、留守番に関する困りごとの点数が悪い結果でした。

大きさは3つあります。日本の協会の基準で、ミニチュアは体重7〜13kg、ミディアムは13〜20kg、スタンダードは23〜30kgです。同じ犬種でも、サイズで暮らしの準備が変わります。この記事では、協会の基準、動物病院の解説、研究をもとに、サイズと毛質の違い、手入れの予定、しつけで先に教えること、費用を順に整理します。

この記事で学べること

  • 3つのサイズの体高・体重と、サイズで変わる暮らしの準備
  • フリース・ウール・ヘアーの毛質の違いと、子犬から成犬で毛質が変わること
  • 毎日・毎週・毎月の手入れの予定表と、サマーカットの注意、トリミング料金の考え方
  • 研究から見えた「先に教えること」──落ち着き・留守番・物音への慣れ
  • 気をつけたい体のことと、受診の目安、1年の費用

今日やることは1つ。 近くのトリミングサロンに電話して、オーストラリアンラブラドゥードルを受けているか、そのサイズの料金はいくらかを聞いてください。この犬種の暮らしは、通えるサロンがあるかどうかで大きく変わります。

オーストラリアン・ラブラドゥードルを迎える前に考える三つ(毛の手入れ・運動・落ち着き)

記事執筆における出典

  • 大きさ・毛質・気質の基準 ── オーストラリアの協会(ALA)、米国の協会(ALAA)、国際団体(WALA)、日本の協会(ALAJ)の犬種基準。いずれも犬種の普及を目的とする愛好・登録団体で、中立の研究機関ではありません。協会ごとに数字が少しずつ違うので、並べて示します
  • 手入れと運動の目安 ── ALAAのお手入れのページ、米国の動物病院グループVCAの被毛ケアの解説、獣医師向けマニュアルの飼い主版(MSDマニュアル)の耳の病気の解説
  • 行動と健康の傾向 ── 英国王立獣医大学などの研究チームによる、ラブラドゥードルと親犬種(ラブラドール・プードル)の比較研究(PLOS ONE, 2024・2026)。対象は英国の「ラブラドゥードル」全体で、オーストラリアンラブラドゥードルだけを調べたものではありません
  • 関節と遺伝の病気 ── OFA(米国の整形外科の登録団体)、カナダ・サスカチュワン大学の獣医学部
  • しつけの方針 ── 米国獣医行動学会(AVSAB)の声明。罰を用いる手法を推奨していません
  • 費用 ── アニコム損害保険「ペットにかける年間支出調査」2025年版と、トリミングサロンが公開している料金表

トリミング料金の「相場」は書きません。 中立の機関がまとめた数字が見当たらないためです。料金表は、公開されているものを1つ、例として示します。健康の話は「こう書かれている」「このサインなら受診」までにとどめます。子犬の価格や迎え方はラブラドゥードルの迎え方の記事にまとめています。

どんな犬か ── 基準に書かれた性格と、研究で見えたこと

オーストラリアンラブラドゥードルは、ラブラドールとプードルに、コッカースパニエルなど協会が認めた犬種を加え、オーストラリアンラブラドゥードルどうしの交配を何世代も重ねてきた犬です。ラブラドールとプードルを1代かけ合わせた「ラブラドゥードル」とは、登録のしくみも大きさ・毛質の読みやすさも違います(違いは迎え方の記事の表で比べています)。

日本の協会(ALAJ)が載せている犬種標準では、気質はこう書かれています。

  • 自由にしているときは、とても賢く、社交的で、おどけていて、楽しそうで、元気
  • 人に扱われているときは、穏やかで静か
  • 家族や接している人の気持ちや必要を察する力がある

国際団体(WALA)も、社交的で、ほかの動物ともよく絆を結び、訓練しやすい犬として説明しています。「察する力」はこの犬種を語るときの中心で、介助犬やセラピー犬として働く犬がいる理由として、ALAもALAJも挙げています。

一方で、協会は同じ標準の中で、攻撃性、臆病さ、よく吠えること、とても興奮しやすい気質を「基準を満たさない」特質として挙げています。基準は理想の姿で、個体差はある、ということです。

研究も見ておきます。英国の研究(PLOS ONE, 2026)は、飼い主への質問票で9,402頭の行動を比べました。ラブラドゥードル(583頭)は、

  • プードルと比べると、6つの項目で困った行動が少なかった(飼い主への攻撃性、犬への攻撃性、同居犬との張り合い、知らない人への恐れ、犬への恐れ、留守番に関する困りごと)
  • ラブラドールと比べると、5つの項目で困った行動が多かった(興奮しやすさ、留守番に関する困りごと、物音など人や犬以外への恐れ、同居犬との張り合い、訓練のしやすさ)

という結果でした。困った行動は「プードルより少なく、ラブラドールより多い」というのが、この研究での平均的な姿です。研究チームは、子犬を迎えるときは親犬に会い、その行動を見てから決めることを勧めています。

大きさ ── 3つのサイズと、暮らしの違い

どの協会もサイズを3つに分けています。数字は協会ごとに少し違います。

サイズ体高(ALAJ。ALAも同じ区切り)体重(ALAJ)参考:WALAの体高
ミニチュア35〜42cm(43cmを超えない)7〜13kg30cm以上43cm未満
ミディアム43〜52cm(53cmを超えない)13〜20kg43cm以上53cm未満
スタンダード53〜63cm(64cmを超えない)23〜30kg53〜71cm

体高は、平らな床に立ったときの肩の一番高いところまでの高さです。米国の協会(ALAA)は、3サイズ全体の体重をおよそ15〜65ポンド(約7〜30kg)、WALAは約5.4〜38.5kgと書いています。「平均体重」ではなく、サイズごとの範囲で決まっていると考えてください。

サイズで変わるのは、体重だけではありません。

考えることミニチュアミディアムスタンダード
散歩で急に引かれたとき止めやすい家族の誰が止められるか確かめる引かない歩き方を子犬のうちに。止められる人が散歩を担当
抱えて移動する(車・診察台・階段)抱えられる大人なら抱えられることが多い抱えるのは難しい。車の乗り降りは練習で
クレート・車の荷室小〜中型用中〜大型用大型用。置き場所を先に決める
トリミング代サイズの中では安い上がるサロンによっては料金表に載っていない。先に確認

サイズは子犬の姿からは読み切れません。迎える前に親犬の大きさを確かめるのが、いちばん確かな手がかりです。成長期のフードの量は、体重を測りながらフードの量・カロリー計算で1〜2か月ごとに見直してください。

ミニチュア・ミディアム・スタンダードの体の大きさの違いを、人の脚との比較で(数字は本文の表に任せる) Illustration: BAUDOG(生成画像)

毛質 ── フリース・ウール・ヘアーの違い

オーストラリアの協会(ALA)は、毛質を3つに分けています。

毛質手ざわりと見た目抜け毛手入れのしかた
フリースアンゴラ山羊のようにやわらかい。まっすぐ〜ゆるいウェーブ、またはやわらかいカール少ない(WALA)ALAは「扱いやすい毛質」と説明。それでも毎日のブラッシングは要る
ウール子羊の毛のような手ざわり。らせん状のカールで、分けると地肌が見えるとても少ない(WALA)カールの中にもつれが隠れやすい。根元までコームが通るかで確かめる
ヘアー短く硬い毛〜長い毛まで幅がある抜ける。においもある(ALA)初期の世代に多い。季節の変わり目に抜ける(ALAJ)

協会が理想とするのはフリースとウールで、下毛のないシングルコートです。毛の長さは、ALAが4〜6インチ、ALAJが10〜15cmくらい、ALAAは「4インチを超えないのが一般的」と、協会で書き方が違います。

ここで知っておきたいのは、毛質は子犬のときのまま変わらない、とは限らないことです。ALAもALAJも、子犬の毛から成犬の毛へ変わることがあり、メスはホルモンの変化でも変わることがある、と書いています。毛色も同じで、ALAJの標準には、ブルー・カフェ・ラベンダー・パーチメントのように1〜3年かけて色が現れていく色や、成長とともに薄くなることがある色が載っています。

「抜けにくい」と「アレルギーが出ない」は別の話です。協会はフリースとウールを「アレルギーフレンドリー」と呼んでいますが、アレルギーが出ないことの保証ではありません(根拠は迎え方の記事の「アレルギーが出ない犬はいない」で詳しく書いています)。

毛の手入れ ── 毎日・毎週・毎月の予定表

伸び続ける毛は、抜けた毛が巻き毛の中に残ります。だから床は汚れにくいかわりに、放っておくと体の上で毛玉になります。米国の協会ALAAは、オーストラリアンラブラドゥードルの被毛と爪には継続した手入れと、毎月のグルーミングが必要だと書いています。

いつやること目安と根拠
毎日ブラッシング(とくに耳の後ろ、わきの下、後ろ脚の裏)巻き毛や長毛の犬は、もつれや毛玉を防ぐために毎日のブラッシングが必要(VCA)
毎日目のまわりを見る。目やにを拭く目にかかる毛は、先の丸いはさみで短く保つ(ALAA)
定期的に耳の中を見てにおいをかぐ。歯みがき歯みがきは定期的に(ALAA)。耳のサインは下の「体のこと」で
月に1〜2回爪切り(前足の内側の狼爪も)ALAA
毎月トリミング(シャンプーとカット)毎月のグルーミング(ALAA)
汚れたとき家でのシャンプー抜けない毛の犬は、健康なら6〜8週ごとが一般的(VCA)。洗う前に必ずブラッシングでもつれを取る

毛玉ができやすい3か所(耳の後ろ・わきの下・後ろ脚の裏)を体の図で示す Illustration: BAUDOG(生成画像)

ブラッシングのやり方と、毛玉ができたとき

VCAは、巻き毛で抜けない毛の犬にはスリッカーブラシが合うとしています。表面をなでるだけでは、根元の毛玉は取れません。毛を手で分けて、地肌に近いところから少しずつブラシを入れ、最後にコームが根元まで通るかで確かめます。

毛玉ができたときは、次の順で考えます(VCAの解説にもとづく)。

  • 小さなもつれは、やさしくほぐす。引っぱらない
  • 大きな毛玉は、はさみで切らない。地肌を切る事故が起きやすいので、切るならバリカン。自信がなければサロンか動物病院へ
  • 毛玉のままシャンプーしない。洗うと固まって取れなくなる
  • 毛玉の下の皮膚が赤い・ただれているなら、動物病院へ

ブラシを嫌がる子は多いです。無理に続けると、毎日の手入れそのものが嫌な時間になります。ブラッシングに慣れる練習を、子犬のうちから短く始めてください。あごを手のひらに乗せて待つあご乗せができると、目のまわりや顔の手入れが楽になります。すでに嫌がるなら、ブラッシングを嫌がるときの慣らし方から。

毛を手で分けて、地肌に近いところからブラシを入れている場面 Image: AI生成(BAUDOG)

サマーカットは「短すぎない」が条件

夏に毛を短くすると、蒸れや毛玉が減って手入れは楽になります。ただしVCAは、毛を切るなら日焼けを防ぐため少なくとも1インチ(約2.5cm)は残すことを勧めています。地肌が見えるほど刈り込む前に、サロンで長さを相談してください。

毛を短くしても、夏の散歩は時間帯に気をつけます。散歩の時間は散歩の暑さチェッカーで確かめ、夏の注意は熱中症対策の記事を。

刈り込みすぎ(地肌が見える)と、毛を少し残したカットの違い Illustration: BAUDOG(生成画像)

トリミング料金は「サイズと毛量」で決まる

トリミング料金について、中立の機関がまとめた相場データは見当たりません。料金はサイズと毛量で決まり、サロンによって差があります。

参考に、アニコム損保の2025年の調査では、犬1頭あたりの「シャンプー・カット・トリミング料」は年間50,575円でした。ただしこれは短毛の犬も含む犬全体の平均で、毎月トリミングに通う犬の金額ではありません。

実際の料金表の例を1つ示します。埼玉県のあるトリミングサロンが公開している料金表(税込、いずれも「〜」付きの最低料金)です。

犬種・サイズシャンプーのコースカット+シャンプーのコース
トイプードル5,500円〜8,800円〜
オーストラリアンラブラドゥードル(ミニチュア)9,900円〜16,500円〜
オーストラリアンラブラドゥードル(ミディアム)16,500円〜22,000円〜

この料金表には、スタンダードの欄がありません。また「大きさ・毛量で料金が変わる」「毛玉取りは10分ごとに追加料金」と書かれています。この表の最低料金で毎月カットに通うと、計算上、ミニチュアで年19万8,000円、ミディアムで年26万4,000円からになります。毛玉が多いと上がるので、家での毎日のブラッシングが、そのまま料金を下げることになります。

近くのサロンには、①この犬種を受けているか ②サイズごとの料金 ③毛玉があるときの追加料金 ④予約の取りやすさ、の4つを聞いておくと比べやすくなります。

運動と暮らし ── 1日1時間と、成長期の注意

ALAAは、ラブラドゥードルには毎日1時間ほど体を動かす時間が必要だとしています。走る、ボールを取ってくる、歩く、といった運動です。

同時に、成長期の子犬に長いランニングをさせない、硬い地面で走らせないよう書いています。育ちきっていない関節が、同じ動きのくり返しで傷むことがあるためです。子犬のうちは、においをかぎながらの散歩や、短い遊びを何回かに分けるほうが向いています。

暮らしの中で気をつけたいことが、もう1つあります。英国の健康の研究(PLOS ONE, 2024)では、ラブラドゥードルはプードルと比べて、食べてはいけないものを食べた、下痢、嘔吐の報告が多い結果でした。ラブラドールとは差がありませんでした。散歩中の拾い食いは、拾い食いをやめさせる方法を早めに。

引っぱらずに歩くゆるリードは、体が大きくなる前から。スタンダードなら、ここが暮らしの安全そのものです。

子犬は長く走らせず、土や草の上でにおいをかぎながら歩く場面 Image: AI生成(BAUDOG)

しつけ ── 先に教えること

「賢いからしつけが楽」は、半分だけ本当です。覚えるのが早いぶん、教えていないことも早く覚えます。そして上の研究では、ラブラドールと比べて点数が悪かったのは、次のような場面でした。研究の説明にある具体例と、BAUDOGで先に教えたいことを並べます。

研究で点数が悪かった項目(対ラブラドール)暮らしで出る形(上の3つは研究が挙げている例)先に教えること
興奮しやすさ散歩、車での外出、インターホン、来客に強く反応する落ち着いて。人が来たら飛びつかず座る(飛びつきの直し方)
留守番に関する困りごとひとりにされたとき、鳴き続ける・物を壊す短い留守番から練習する(留守番できない時の練習法)。クレートを安心できる場所に
人や犬以外への恐れ車の音、大きな音や急な音、見慣れない物や場所を怖がる怖がる前の距離で慣らす(雷・花火を怖がるときの対処法)
同居犬との張り合い家にいるほかの犬と張り合う多頭飼いなら、食器・おもちゃ・寝床を分ける
訓練のしやすさ教えたことに応じにくい教えたい行動が出た瞬間に伝える(マーカー)。短く、成功で終わる

留守番は、とくに先回りしたい項目です。家族がいつも家にいる時期に迎えても、いつかは留守番の日が来ます。最初の数週間から、数分だけ別の部屋にいる練習を積んでおくと、あとが楽になります。

教え方は、できたらすぐ良いことが起きる、陽性強化(正の強化)で。研究チームも、ラブラドゥードルの訓練のしやすさの結果を「罰を使えば早い」と受け取らないよう注意を書き、ごほうびを使う訓練のほうが効果が高く、信頼関係も強くなるという研究を紹介しています。米国獣医行動学会(AVSAB)も、罰を用いる手法を勧めていません。上下関係で押さえつける方法は使いません。

もう1つ、研究で目を引いた点があります。子犬を引き取るときに母犬を見なかったケースでは、比べたすべての組み合わせで、訓練のしやすさの点数が低くなっていました。迎える前に親犬に会うことは、しつけの準備でもあります。

研究でラブラドールより点数が悪かった場面(来客・留守番・物音)と、先に教えること(マットで落ち着く・短い留守番・距離をとって慣らす)の対応 Illustration: BAUDOG(生成画像)

気をつけたい体のこと

協会は、繁殖に使う親犬に検査を求めています。オーストラリアの協会(ALA)の場合は、股関節・肘の形成不全の検査と、進行性網膜萎縮症(PRA-prcd)、運動誘発性虚脱(EIC)、フォン・ヴィレブランド病Ⅰ型などの遺伝子検査です。迎える前に確かめるのは、この親犬の検査結果です(聞き方は迎え方の記事に)。

迎えたあとに家で気づけることを、部位ごとにまとめます。

部位知られていること家で気づけるサインどうするか
股関節・肘形成不全。OFAは、症状がいつ出るかは予測できず、食事の量や運動の量で重さが変わりうると説明足をかばう歩き方。肘では、前足の先が内側を向く歩き方になることも。軽い変化は長く気づかれにくい(OFA)体重を増やしすぎない。サインがあれば受診
耳英国の研究で、ラブラドゥードルはラブラドールより外耳炎の報告が多かった頭を振る、耳をかく、においが強い、赤い、耳だれ(MSDマニュアル)耳は乾いた状態に保つ。シャンプーで耳に水を入れない。耳の毛を抜く前に獣医師に相談(MSDマニュアル)
運動中の虚脱(EIC)ラブラドールなどで知られる遺伝の病気。ふだんは正常興奮する激しい運動の最中、とくに暑い日に、ふらついて倒れる(サスカチュワン大学)その場で運動をやめさせ、受診。親犬の遺伝子検査の結果を確認
目PRA-prcdは親犬の遺伝子検査の対象(ALA)見え方がいつもと違うと感じる受診。親犬の検査結果を確認
皮膚毛玉の下は蒸れやすい毛玉の下が赤い、かゆがる毛玉を取り、皮膚に異常があれば受診(VCA)

健康全体では、同じ英国の研究(PLOS ONE, 2024)で、ラブラドゥードルなどと親犬種を57の病気で比べたところ、86.6%の比較で差がありませんでした。ラブラドゥードルは、ラブラドールより股関節・肘の形成不全の報告が少なく、プードルより膝蓋骨脱臼の報告が少ない一方、上で見た耳や胃腸の項目は多い、という結果です。「雑種だから丈夫」とも「弱い」とも言えません。「短命」「病気が多い」といった噂の中身は、ラブラドゥードルの噂を確かめた記事で整理しています。

費用 ── 1年にかかるお金

アニコム損保の2025年の調査(契約者へのアンケート、犬3,974頭、平均5.6歳)では、犬1頭にかけた1年の費用は次のとおりでした。短毛の犬も小型犬も含む、犬全体の平均です。

項目犬全体の平均(2025年)
合計413,416円
ケガや病気の治療費89,120円
フード・おやつ80,029円
シャンプー・カット・トリミング料50,575円

オーストラリアンラブラドゥードルでは、この平均よりトリミング代が大きくなると考えておくのが安全です。上の料金表の例で毎月カットに通うと、トリミング代だけで平均の約4〜5倍になります(計算上)。フードの量は体重で決まるので、愛犬の体重でフードの量・カロリー計算をしておくと、食費の見当もつきます。

子犬を迎えるときの価格は、この記事ではなく迎え方の記事で、公開されている金額をまとめています。

向いている家庭、考え直したほうがいい家庭

向いている考え直したほうがいい
毎日1時間ほど、一緒に体を動かす時間をとれる散歩が短時間で済む犬を探している
毎日のブラッシングと、毎月のトリミングを続けられる。通えるサロンがある「抜けないから手入れが楽」と考えている
留守番の練習を、迎えた直後から積める迎えてすぐ長時間の留守番が続く
家族で教え方をそろえ、ほめて教えられる叱って止めるしつけを考えている
スタンダードなら、引かれても止められる大人がいる力の強い犬を散歩できる人がいない

実践:迎えてから1年の順番

時期手入れしつけ・暮らし
迎える前通えるサロンを探し、料金を聞く親犬の大きさ・毛質・検査結果を確かめる
1〜2週目体を触られることに慣らす(足先・耳・口を毎日少し)静かに眠らせる。数分だけ別の部屋にいる練習
1か月目短いブラッシングを毎日。ブラシを見せたらおやつ落ち着いての練習を始める
2〜3か月目サロンに「寄るだけ」「短いシャンプーだけ」で慣らす引っぱらない歩き方。来客で飛びつかない
4〜6か月目毎日のブラッシングを根元まで。爪切りを月1〜2回留守番の時間を少しずつ延ばす
成犬になるまで子犬の毛から成犬の毛への変化に気づいたら、ブラシとトリミングの内容を見直す長いランニングや硬い地面での走り込みは避ける

順番に意味があります。 触られる練習とサロンの慣らしを後回しにすると、毎月のトリミングが一生の負担になります。お迎え直後の流れは子犬を迎えた最初の1週間にやることにまとめています。

手入れとしつけを、迎える前 → 最初の1か月 → 2〜6か月 → 成犬になるまで、の時間軸で(R4 手順の図解) Illustration: BAUDOG(生成画像)

うまくいかないとき

毛玉がどんどん増える ── 表面だけブラッシングしていないか確かめてください。耳の後ろ、わきの下、後ろ脚の裏に、コームが根元まで通るか。毛質は成長で変わることがあるので(ALA・ALAJ)、それまでの手入れで足りているか見直してください。追いつかないなら、いったんサロンで短くしてもらい、そこから毎日の手入れを立て直します。

ブラシを見ると逃げる ── 手入れを嫌な時間にしてしまっています。いったん「ブラシを見せる → おやつ」だけに戻し、1回を数秒にしてください。

来客や散歩で興奮が止まらない ── 興奮してから止めようとしても入りません。人が来る前、散歩に出る前に、マットの上で落ち着く練習をしておきます。

留守番で鳴く・壊す ── 留守番の時間を、鳴かずにいられる長さまで一度戻してください。叱ると不安が強くなります。

相談を考える目安

  • 激しい運動の最中にふらつく、倒れる(すぐ運動をやめて受診)
  • 頭を振る、耳をかく、耳のにおいが強い・耳だれがある
  • 片足をかばう、立ち上がるのが遅い
  • 毛玉の下の皮膚が赤い、ただれている
  • 下痢や嘔吐が続く、食べてはいけないものを食べた
  • 留守番のときの鳴き声や破壊が、練習しても強くなっていく

体のことは動物病院へ。行動のことは、陽性強化を用いる行動の専門家へ、早めに相談してください。

よくある質問

ラブラドゥードルは大変ですか? 手間がかかるのは、毎日のブラッシングと毎月のトリミング、1日1時間ほどの運動(米国の協会ALAAの説明)、そして落ち着きと留守番の練習です。英国の研究では、ラブラドールと比べて興奮しやすさや留守番に関する困りごとの点数が悪い結果でした。性格そのものは、協会の基準で賢く社交的とされています。

ラブラドゥードルは大型犬ですか? サイズによります。オーストラリアンラブラドゥードルには3つのサイズがあり、日本の協会(ALAJ)の基準で、スタンダードは体高53〜63cm・体重23〜30kgなので大型犬として準備するのが安全です。ミディアムは13〜20kg、ミニチュアは7〜13kgです。

ラブラドゥードルの体重は平均で何kgですか? 協会は平均ではなく、サイズごとの範囲で示しています。日本の協会(ALAJ)の基準では、ミニチュア7〜13kg、ミディアム13〜20kg、スタンダード23〜30kgです。米国の協会(ALAA)は3サイズ全体でおよそ7〜30kgとしています。

ラブラドゥードルのしつけ方は? できたらすぐ良いことが起きる、ほめて教える方法(陽性強化)で教えます。先に教えたいのは、人のそばで落ち着くこと、短い留守番、引っぱらない歩き方、来客で飛びつかないことです。叱って止める方法や上下関係の考え方は使いません。

ラブラドゥードルはトリミングは必要ですか? 必要です。毛が抜けにくいかわりに伸び続けるので、米国の協会(ALAA)は毎月のグルーミングを勧めています。トリミングをしないと、抜けた毛が巻き毛の中に残って毛玉になり、皮膚のトラブルにつながります。

ラブラドゥードルのトリミング料金はいくらですか? 中立の機関がまとめた相場データは見当たらず、料金はサイズと毛量で決まります。公開されている料金表の例では、カットとシャンプーでミニチュアが16,500円〜、ミディアムが22,000円〜(税込)でした。近くのサロンに、この犬種を受けているかと、サイズごとの料金を先に聞いてください。

フリースとウールはどう違いますか? フリースはアンゴラ山羊のようにやわらかい毛で、まっすぐからゆるいカールまであります。ウールは子羊の毛のような手ざわりのらせん状のカールで、抜け毛はさらに少ないとされます。どちらも毎日のブラッシングが必要で、子犬から成犬で毛質が変わることもあります。

サマーカットにしてもいいですか? できます。ただし、日焼けを防ぐため毛は少なくとも1インチ(約2.5cm)は残すよう、米国の動物病院グループVCAは勧めています。長さはサロンで相談し、夏の散歩は時間帯にも注意してください。

最後に

オーストラリアンラブラドゥードルは、人の気持ちに寄りそう力を、協会がいちばんの特徴として書いている犬です。その力を暮らしで生かせるかどうかは、毛と運動と落ち着きの3つを、毎日の習慣にできるかにかかっています。

最初に手応えを感じるのは、ブラシを見せた愛犬が、逃げずに自分から近寄ってきた日です。毎日の手入れが「嫌なこと」から「一緒にいる時間」に変わった日から、毎月のトリミングも、長い付き合いも楽になります。

まずは今日、近くのサロンに電話を1本。そこから始めてください。

出典

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犬種えらびブック

日本で多い37犬種を、人気・寿命・抜け毛・吠えにくさなど同じものさしで比べる。家族の条件シートと相談シートつき。

  • A4・34ページ
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