オーストラリアンラブラドゥードル

ラブラドゥードルの後悔・異常・繁殖禁止は本当?研究で検証

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ピンクのタオルの上で、黒い巻き毛のラブラドゥードルの子犬が横向きに寝そべって眠っている。足元にロープのおもちゃ
Photo: Geoprofi Lars(CC BY-SA 4.0, Wikimedia Commons)

「ラブラドゥードル」と検索すると、候補に「後悔」「異常」「精神疾患」「繁殖禁止」「短命」が並びます。迎えようか考えている人ほど、手が止まる言葉です。

先に答えを書きます。「後悔」は、ラブラドゥードルを最初に繁殖させたウォーリー・コンロン氏が、2019年にオーストラリアの公共放送ABCの番組で語った言葉です。ただし本人が悔やんだのは、犬そのものより、流行に乗って健康を顧みずに繁殖する人たちが現れたことでした。「多くが精神に異常をきたしている」という日本語の報道は、英語の “crazy”(落ち着きがない、手に負えない、という日常語) の訳で、本人が街で見かけた犬の印象です。調査や診断にもとづく数字ではありません。

では研究ではどうか。英国の王立獣医大学などのチームが約9,400頭を調べた研究では、ラブラドゥードルの健康は親犬種(ラブラドールとプードル)とほとんど差がありませんでした。行動では、プードルより良い項目が6つ、ラブラドールより悪い項目が5つ。「異常な犬」ではありませんが、「しつけが楽な犬」でもありません。日本の法律に、この犬の繁殖を禁じる決まりはありません。寿命は、ラブラドゥードルだけを測った大規模な研究がまだ見当たりません。この記事では、噂の一つひとつを一次情報と並べて、何が本当で何が誤解かを整理します。

この記事で学べること

  • 生みの親の「後悔」発言の原文と、日本語で広まった「精神疾患」「異常」とのずれ
  • 行動の研究(英国, 2026)でわかった、ラブラドゥードルの良い面と気をつけたい面
  • 57の病気を親犬種と比べた研究(英国, 2024)の結果と、早めに気づきたいサイン
  • 「短命」「繁殖禁止」の噂を、寿命の研究と日本の法律で確かめた結果
  • 後悔しないために、迎える前と迎えた後にやること

今日やることは1つ。 迎える前なら、候補のブリーダーに「母犬に会えますか。親犬の健康検査の結果を書面で見せてもらえますか」と1通送ってください。どちらも、英国の研究チームが迎える前に勧めている確かめ方です。すでに暮らしているなら、「後悔しないために」の節の練習から始めてください。

記事執筆における出典

噂の多くは、ニュースの翻訳とその孫引きで広まっています。この記事は、次の一次情報に戻って確かめました。

  • 生みの親の発言 ── オーストラリア放送協会(ABC)が2019年に本人の言葉を直接伝えた記事。比べるために、日本語で広まったCNN.co.jpの記事も確かめました
  • 健康と行動 ── 英国王立獣医大学などの研究チームが、ラブラドゥードルなどのかけ合わせと親犬種を比べた2本の論文(PLOS ONE, 2024・2026)。どちらも飼い主へのアンケートにもとづく研究で、対象は5歳までの犬です
  • 寿命 ── 英国の約58万頭のデータで犬種ごとの寿命を出した研究(Scientific Reports, 2024)
  • 犬の成り立ち ── 米国国立衛生研究所のチームによる、オーストラリアンラブラドゥードルの遺伝子解析(PLOS Genetics, 2020)
  • 繁殖のルール ── 環境省(動物愛護管理法の飼養管理基準、販売時の対面説明の項目)
  • 協会の方針 ── オーストラリアンラブラドゥードル協会(ALA)、世界規模の協会(WALA)、北米ゴールデンドゥードル協会(GANA)。いずれも犬の普及を目的とする愛好・登録団体で、中立の研究機関ではありません

ブリーダーや販売業者のページは、根拠として使っていません。健康の話は「研究にこう報告されている」と「受診の目安」までで、診断や治療には踏み込みません。

噂と一次情報の早見表

よく言われること一次情報で分かっていること判断
生みの親が「後悔している」本人がABCで「パンドラの箱を開け、フランケンシュタインの怪物を解き放った」と発言。悔やんだ理由は、健康を顧みない繁殖が広がったこと本当。ただし悔やんだ対象は乱繁殖
多くが「精神疾患」「異常」原文は “crazy”。本人が街で見た印象で、調査の数字はない。行動の研究では、親犬種と比べて良い項目も悪い項目もある訳による誤解。「病気」を示す研究はない
遺伝病だらけで病気になりやすい57の病気を比べると、ラブラドゥードルはプードルと50、ラブラドールと52の病気で差がなかった。ラブラドールより少ない病気(股関節・肘の形成不全)も、多い病気(外耳炎)もある研究では支持されない。「丈夫」とも言えない
短命ラブラドゥードルだけの寿命を測った大規模な研究は見当たらない。親犬種はラブラドール13.1歳、プードル14.0歳(英国, 中央値)根拠なし。ただし長寿の根拠もまだ弱い
日本では繁殖禁止動物愛護管理法と環境省の基準に、この犬を名指しした禁止はない。協会は、家庭向けの子犬を不妊手術か不妊の契約つきで渡すよう求めている誤り。「買った人が繁殖しない約束」とは別物
アレルギーが出ない・しつけが楽最初の3頭のうち、アレルギーの検査で合ったのは1頭だけ。しつけやすさの点数はラブラドールより低かった保証はない

「後悔」の出どころ ── 生みの親は何を悔やんだのか

ABCの記事によると、コンロン氏は1980年代、オーストラリアの盲導犬協会(現在のGuide Dogs Victoria)で繁殖の責任者をしていました。ある日、ハワイに住む目の不自由な女性から手紙が届きます。夫が犬の毛にアレルギーがあるので、夫が反応しない盲導犬はいないか、という相談でした。

コンロン氏は最初、スタンダードプードルで足りると考え、33頭を試しました。しかし盲導犬に向く気質の犬がいなかったため、ラブラドールの働く力とプードルの毛を合わせるかけ合わせを考えます。1989年、ラブラドールの母犬とスタンダードプードルの父犬から3頭の子犬が生まれました。毛と唾液をハワイに送って調べたところ、女性の夫に合ったのは3頭のうち1頭だけ。その1頭「スルタン」が、最初のラブラドゥードルの盲導犬になりました。

残りの2頭は、盲導犬を待つ人たちに引き取りを断られます。そこでコンロン氏は広報に頼み、「ラブラドゥードルという特別な犬種を作った」と発表してもらいました。ABCの記事は、この名前を**雑種を受け入れてもらうための「ギミック」**だったと書いています。すると問い合わせが世界中から殺到しました。

番組でコンロン氏は、倫理に欠ける人たちが高値で売るために繁殖するようになったことを悔やみ、あの「フランケンシュタインの怪物」という言葉を使いました。一方、同じ記事で、最初の子犬の父犬(自分のスタンダードプードル)を提供した当時の盲導犬協会の責任者は、ここまで広がったことを「すばらしいことだと思う」と語っています。同じ出来事を、関わった2人がまったく違う言葉で振り返っているのです。

つまり「後悔」は本当にあった発言です。ただしそれは「ラブラドゥードルという犬がだめだ」という結論ではなく、「親犬の健康を見ないまま繁殖する人が増えた」ことへの警告でした。この警告は、これから迎える人にとってはそのまま使えるチェック項目になります(「後悔しないために」の節)。

「異常」「精神疾患」は本当? ── “crazy” の訳と、行動の研究

日本語の報道と原文のずれ

日本で広まったのは、CNN.co.jpの「多くは精神に異常をきたしているか遺伝上の問題を抱えており、健康な子犬が誕生する例は『ごくわずか』」という訳です。ABCが伝えた本人の言葉では、ここは “the biggest majority are either crazy or have a hereditary problem” で、その前に「外でラブラドゥードルを見かけると、股関節や肘に問題がないかと、つい頭の中で見てしまう」と話しています。

“crazy” は英語の日常会話で「落ち着きがない」「手に負えない」という意味でよく使われる言葉で、病名ではありません。そしてこの言葉は、本人が街で見た犬への印象です。何頭を調べたのか、どう判断したのかは示されていません。「ラブラドゥードルは精神疾患が多い」という言い方は、この1文の訳から生まれたもので、それを裏づける研究は見当たりません。

研究でわかっていること ── 良い面と、気をつけたい面

では、行動の実際はどうか。2026年に発表された英国の研究は、2019年以降に生後16週までで迎えられた犬の飼い主に、犬の行動を測る標準的な質問票(C-BARQ)で12の項目を答えてもらい、ラブラドゥードルと親犬種を比べました。

比べた相手ラブラドゥードルのほうが良かった項目ラブラドゥードルのほうが気になった項目
プードル飼い主への攻撃性、ほかの犬への攻撃性、同居犬との張り合い、知らない人への怖がり、ほかの犬への怖がり、留守番・分離にまつわる問題(6項目)なし
ラブラドールなし同居犬との張り合い、物音や見慣れない物への怖がり、留守番・分離にまつわる問題、興奮しやすさ、しつけのしやすさ(5項目)

同じ研究で比べたほかの2つのかけ合わせ(コッカープー、キャバプー)は、親犬種より悪い項目がほとんどでした。それに比べると、ラブラドゥードルは良い面と気になる面が半々です。研究チームは、ラブラドゥードルがほかの2つより早く作られ、世代を重ねてきたことが関係しているかもしれない、と考察しています。

ここから言えるのは、「異常」ではなく、ラブラドールより興奮しやすく、留守番が苦手になりやすく、教えるのに手間がかかる傾向があるということです。どれも病気ではなく、練習で変えていける行動です。研究チームも、しつけやすさの点数を見て叱る方法に頼らないよう注意を促し、ごほうびを使う方法のほうが効果的だという研究を紹介しています(陽性強化)。

もう1つ、見逃せない結果があります。子犬を引き取る日に母犬を見ていなかった家庭では、ラブラドゥードルと親犬種の比較で、留守番・分離にまつわる問題の点数が高く出ました。研究チームは、迎える前に両親の犬に会い、その行動を見てから決めるよう勧めています。

ゴールデンドゥードルは?

「ゴールデンドゥードル 精神疾患」という検索もあります。2026年の論文が紹介している米国の研究(Shouldice ら, 2019)では、1代目のゴールデンドゥードルは、プードルよりほかの犬への攻撃性と怖がりの点数が、ゴールデンレトリバーより知らない人への怖がりの点数が高く出ました。これも「病気」ではなく、人や犬に慣れる練習(社会化)を丁寧にという意味の結果です。ゴールデンドゥードルの特徴は犬種辞典にまとめています。

「病気になりやすい」は本当? ── 57の病気の比較

「ミックスだから丈夫」と「交配犬だから遺伝病だらけ」。ちょうど逆の噂が、どちらも広まっています。2024年の英国の研究は、ラブラドゥードル583頭を含む9,402頭の飼い主に病歴を答えてもらい、よくある57の病気をかけ合わせと親犬種で比べました。

結果は、3種類のかけ合わせ全体で、342の比較のうち86.6%で差がありませんでした。かけ合わせのほうが多かったのが7.0%、少なかったのが6.4%です。研究チームは「かけ合わせのほうが健康」という広い思い込みを支持しない一方で、「かけ合わせのほうが不健康」という主張も支持しない、と結論づけています。

ラブラドゥードルだけを見ると、57の病気のうち、プードルとは50、ラブラドールとは52の病気で差がありませんでした。差が出たのは次の病気です。

比べた相手ラブラドゥードルのほうが少なかったラブラドゥードルのほうが多かった
ラブラドール股関節・肘の形成不全、足を引きずる(跛行)、複数のしこり、傷外耳炎
プードル膝蓋骨脱臼(ひざのお皿がずれる)アレルギー、脱毛、食べてはいけない物を食べる(誤食・拾い食い)、傷、下痢、嘔吐

コンロン氏が気にしていた股関節と肘の形成不全は、この研究ではラブラドールより少ない結果でした。ただし、この研究には限界もあります。対象は5歳までの犬で、年をとってから出る病気は測れていません。犬種は飼い主の申告で、血統書や遺伝子で確かめたものではなく、オーストラリアンラブラドゥードルの飼い主が「ラブラドゥードル」と答えている可能性も論文に書かれています。

早めに気づきたいサイン

研究で「多かった」病気は、どれも家で気づけるサインから始まります。気づいたら、様子を見続けずに動物病院で相談してください。

研究で多かったもの家で気づけるサインできること
外耳炎頭を振る、耳をかく、耳のにおい、赤み耳を見せてもらえるよう耳を触る練習をしておき、サインがあれば受診
アレルギー体をかく・なめる、皮膚の赤み季節や食べ物との関係をメモして受診時に伝える
誤食・拾い食い散歩中に口に入れる、家の物をかじる拾い食いを減らす練習と、手の届く所に物を置かない環境づくり
下痢・嘔吐回数、元気と食欲、便の色下痢が続くときの受診の目安を確認

オーストラリアンラブラドゥードルの協会は、繁殖に使う親犬に股関節・肘の検査と遺伝子検査を求め、基準に届かない犬を繁殖犬として登録しないと説明しています。北米ゴールデンドゥードル協会も、股関節・肘・心臓・膝・目の検査を所属ブリーダーに求めています。どの検査結果をどう確かめるかは、ラブラドゥードルの迎え方の「協会が繁殖犬に求める健康検査」で詳しく比べています。

「短命」は本当? ── 寿命のデータで分かること

先に結論を書くと、ラブラドゥードルが短命だというデータは見当たりません。同時に、ラブラドゥードルだけの寿命を大きな数で測った研究も、まだ見当たりません。

2024年に発表された英国の研究は、約58万頭(584,734頭)のデータから犬種ごとの寿命の中央値を出しました。ただしこの研究では、ラブラドゥードルは「かけ合わせ(雑種を含む)」の1つのグループにまとめられていて、単独の値はありません。論文自身も、ラブラドゥードルのようなかけ合わせを分けて調べることが今後の課題だと書いています。そのうえで、参考になる値を並べます。

グループ寿命の中央値(英国)
プードル14.0歳
ラブラドール・レトリーバー13.1歳
ゴールデン・レトリーバー13.2歳
かけ合わせ・雑種のグループ全体12.0歳
英国の犬全体12.5歳

一方、オーストラリアンラブラドゥードルの世界規模の協会(WALA)は、平均寿命を15年と紹介しています。ただし、その根拠となるデータは示されていません。「短命」も「特に長生き」も、今のところ確かな数字では言えない、というのが正直なところです。

同じ研究では、大型の純血種の寿命の中央値は11.9歳で、小型の純血種(12.7歳)より短めでした。ラブラドゥードルにはサイズの幅があるので、迎える犬の成犬時の大きさも寿命を考えるときの手がかりになります。愛犬の年齢が人間の何歳にあたるか、シニア期がいつごろ始まるかは、犬の年齢 人間換算ツールで目安を確かめられます。

「繁殖禁止」は本当? ── 法律と、ブリーダーの約束

日本の法律に、この犬を名指しした禁止はない

犬の繁殖のルールは、動物愛護管理法にもとづく環境省の基準で決まっています。たとえば繁殖業者は、メスの犬の生涯の出産は6回まで、交配は原則6歳まで。繁殖に使う犬には繁殖してよいかの診断を受けさせ、繁殖に適さない犬には繁殖させない。こうした決まりはすべての犬種に共通で、ラブラドゥードルやドゥードル系を名指しして繁殖を禁じる規定はありません。

また、販売業者が子犬を売るときに対面で説明しなければならない18項目には、**「親と、同じ胎から生まれた兄弟の遺伝性疾患の発生状況」**が入っています。犬種にかかわらず、迎える側が聞いてよい、説明されるべき項目です。

インターネット上には「一部の自治体で、公認されていない犬種の繁殖を禁じる条例がある」と書いた記事もあります。しかし、どの自治体のどの条例かを示したものは見当たりませんでした。環境省は、自治体によっては独自の措置を加えている場合があると説明しているので、繁殖業を考える人は、住んでいる自治体の動物愛護の担当部署に確かめてください。海外についても、調べた範囲では、ラブラドゥードルを名指しして繁殖を禁じた法律は見つかりませんでした。

噂の出どころは、たぶん3つ

  1. 生みの親の後悔発言 ── 「作った本人が後悔している」が、いつの間にか「禁止された」に変わって伝わった
  2. ブリーダーとの「繁殖しない」約束 ── オーストラリアの協会(ALA)は、家庭向けの子犬を渡す前に、①不妊去勢手術を済ませる、②生殖器を残す不妊手術を済ませる、③生後9か月までに不妊手術をする契約を結ぶ、のどれかにするよう所属ブリーダーに求めています。これは法律の禁止ではなく、血統と健康の管理のための契約です
  3. 公認犬種ではないこと ── ALA自身が「オーストラリアンラブラドゥードルが公認の犬種になるころには」と書いているとおり、まだ公認の犬種にはなっていません。公認されていないことと、繁殖が禁じられていることは別の話です

「何のミックス?」 ── ラブラドゥードルとオーストラリアンラブラドゥードル

噂の多くは、2種類の犬を区別しないまま語られています。ラブラドゥードル は、ラブラドールとプードルをかけ合わせた犬です。親が純血どうしの1代目(F1)から、それをさらにプードルとかけた犬などがあり、大きさや毛質の幅が大きくなります。

オーストラリアンラブラドゥードルは、ラブラドールとプードルに、コッカースパニエルなどを加え、オーストラリアンラブラドゥードルどうしの交配を何世代も重ねてきた犬です。協会が基準を定め、血統を登録しています。2020年に発表された遺伝子解析では、今のオーストラリアンラブラドゥードルは、遺伝子のうえではプードルの割合が大きく、ラブラドールとプードル以外の犬種もつくりに加わっていることが示されました。

コンロン氏が作ったのは、前者の1代目です。本人の「後悔」は、そこから世界中に広がった繁殖全体に向けられたもので、特定のブリーダーや特定の犬を指したものではありません。2つの違いと迎え方は、迎え方の記事の「まず整理」の表で比べています。

後悔しないために ── 迎える前と、迎えた後の4週間

噂を一つずつ確かめると、後悔につながりやすい点は2つに絞れます。親犬を見ずに迎えることと、「楽な犬」だと思って練習の時間をとらないことです。研究が示しているのも、まさにこの2つでした。

迎える前に確かめること

確かめることなぜどう確かめるか
母犬(できれば両親)に会えるか母犬を見ずに迎えた家庭で、留守番・分離の問題の点数が高かった(2026年の研究)見学を申し込み、母犬が落ち着いて人に接するかを見る
親犬の健康検査の結果協会は股関節・肘・遺伝子の検査を求めている。国内の販売業者には、親と兄弟の遺伝性疾患の説明義務がある検査の名前・日付・結果を書面で見せてもらう
成犬の大きさと毛質大きさは運動量と寿命の目安に、毛質はトリミングの手間に直結する親犬の大きさと毛を見る。オーストラリアンラブラドゥードルの飼い方で手間を確認
練習にかけられる時間ラブラドールより興奮しやすく、しつけやすさの点数が低かった家族で、毎日だれが何分練習するかを決めておく

迎えた後の4週間

研究で気になった「興奮しやすさ」「留守番・分離」「誤食」は、子犬のうちから少しずつ練習できます。

時期練習すること目安
1週目マットの上で落ち着いたらごほうび(落ち着いて)1回1〜2分を1日数回。興奮していないときにほめる
2週目同じ部屋で少し離れる → 部屋を出てすぐ戻る鳴く前に戻る。留守番の練習の手順で
3週目床の物を無視したらごほうび(やめなさい)家の中から始め、散歩の道へ広げる
4週目耳・足先を触ったらごほうび毎日数秒。外耳炎のサインに気づける体づくり

相談を考える目安

次のようなときは、ひとりで抱えずに相談してください。

  • 行動が急に変わった(急に怒りっぽくなった、触られるのを嫌がるようになった)── 痛みや体の不調が隠れていることがあるので、まず動物病院へ
  • 人や犬に歯を当てる、うなることが続く ── 叱って止めず、陽性強化で教える行動の専門家(獣医行動診療科・トレーナー)に相談
  • 留守番のたびに鳴き続ける、物を壊す、粗相をする ── 練習を小さく戻しても変わらなければ、専門家に相談
  • 外耳炎・皮膚・おなかのサイン(上の表)が数日続く、または元気や食欲が落ちた ── 動物病院へ
  • 迎える前に、親犬の検査結果を書面で見せてもらえない、母犬に会えない ── 契約や支払いを止めて確かめ直す

よくある質問

ラブラドゥードルは短命ですか? 短命だというデータは見当たりません。ただし、ラブラドゥードルだけの寿命を大規模に測った研究もまだありません。英国の約58万頭の研究では、親犬種の寿命の中央値はラブラドール13.1歳、プードル14.0歳、かけ合わせ・雑種のグループ全体で12.0歳でした。オーストラリアンラブラドゥードルの協会(WALA)は平均15年と紹介していますが、根拠のデータは示されていません。

ドゥードゥルは病気になりやすい? 英国の研究(2024年)では、ラブラドゥードル・コッカープー・キャバプーと親犬種を57の病気で比べ、86.6%の比較で差がありませんでした。ラブラドゥードルは、ラブラドールより股関節・肘の形成不全が少なく外耳炎が多い、プードルよりアレルギーや下痢・嘔吐が多いといった違いがありました。「特に病気になりやすい」とも「特に丈夫」とも言えない、という結果です。

ラブラドゥードルは大変ですか? 手間がかかる犬だと考えておくのが安全です。英国の研究(2026年)では、ラブラドールと比べて興奮しやすさ、留守番・分離の問題、しつけのしやすさなど5項目の点数が悪い結果でした(プードルと比べると6項目で良い結果)。毛のお手入れと運動の時間もかかります。子犬のうちから、落ち着く練習と留守番の練習を少しずつ始めてください。

ラブラドゥードルは何のミックスですか? ラブラドール・レトリーバーとプードルのかけ合わせです。1989年、オーストラリアの盲導犬協会で、犬アレルギーの家族がいる人のための盲導犬として最初に繁殖されました。オーストラリアンラブラドゥードルは、これにコッカースパニエルなどを加えて何世代も交配を重ねた犬で、遺伝子解析ではプードルの割合が大きいことがわかっています。

ブリーダーが繁殖を禁止するのはなぜですか? 法律の禁止ではなく、ブリーダーと買う人との約束です。オーストラリアンラブラドゥードルの協会(ALA)は、家庭向けの子犬を、不妊手術を済ませるか、生後9か月までに不妊手術をする契約を結んで渡すよう所属ブリーダーに求めています。親犬の健康検査と血統の記録を管理したまま繁殖を続けるためです。日本の動物愛護管理法に、ラブラドゥードルの繁殖を名指しで禁じる規定はありません。

飼って後悔した犬種ランキングは? 中立の調査にもとづく「後悔した犬種ランキング」は見当たりません。後悔につながりやすいのは、犬種名より「思っていたのと違った」ことです。ラブラドゥードルなら、アレルギーが出ない保証はないこと、しつけが楽という根拠はないこと、毎月の手入れと毎日の運動が必要なことを、迎える前に家族で確かめておくのが一番の予防になります。

最後に

「後悔」「異常」「繁殖禁止」「短命」。どの噂も、たどっていくと1人の言葉の訳か、確かめられていない言い伝えに行き着きました。研究が示しているのは、ラブラドゥードルは異常な犬でも奇跡の犬でもなく、親犬しだいで、練習しだいの、ふつうの犬だということです。そして生みの親の警告は、今も使えます。親犬を見て、検査結果を確かめてから迎えること。

迎えたあと、最初に手応えを感じるのは、来客や物音のあとに、愛犬が自分からマットに戻って伏せた瞬間です。興奮しやすい傾向があると知っていれば、その一瞬を見逃さずにほめられます。噂に振り回されるより、その一瞬を増やすほうが、愛犬との暮らしはずっと楽になります。

出典

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犬種えらびブック

日本で多い37犬種を、人気・寿命・抜け毛・吠えにくさなど同じものさしで比べる。家族の条件シートと相談シートつき。

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