脱感作
苦手な刺激を、犬が怖がらないほど弱いレベルから少しずつ強めて慣らしていく方法。
脱感作(系統的脱感作)とは、犬が怖がったり興奮したりする刺激に、ごく弱いレベルから段階的に触れさせていく行動修正の方法です。最初は犬がほとんど反応しない弱さから始め、何回かの練習に分けて少しずつ強くしていきます。最終的に、ふだんの強さの刺激でも感情的な反応が出なくなることを目指します。
大切なのは、いつも犬が落ち着いていられる範囲(閾値の下)で練習することです。刺激の強さは、距離(遠くから近くへ)、音量(小さくから大きく)、動く速さ(ゆっくりから速く)、要素の分解(掃除機なら止めたまま→音だけ→動かす)で調整できます。怖がっている状態で刺激を続けると、かえって反応が強くなる「鋭敏化」が起きることがあるため、急がないことが何より大切です。
家で行うときは、刺激とおいしいものを結びつける拮抗条件づけと組み合わせるのが一般的です。犬がおやつをすぐに受け取らなくなる、合図に反応しにくくなるといった様子は進めすぎのサインなので、その日は終えて、次回は刺激を弱めます。恐怖が強い場合や進歩が見られない場合は、獣医行動診療医や認定トレーナー(IAABC・CCPDT-KAなど)に相談しましょう。
例
掃除機の音で逃げ回る犬。掃除機を止めたまま部屋の遠くに置き、犬が平気でおやつを食べられる距離から始めます。慣れたら同じ距離で電源を入れ、次に少しだけ動かす、と一段階ずつ進めます。掃除機が動いていても、離れた場所で落ち着いて過ごせる時間が増えていきます。
よくある間違い
- 早く慣れさせようと、強い刺激に長時間さらしてしまう(恐怖がかえって悪化しやすい)
- 犬がおやつを食べなくなっても練習を続け、閾値を超えさせてしまう
この考え方で練習できること
あわせて知りたい言葉
教え方の技法のほかの言葉
マーカートレーニング(クリッカートレーニング)・ルアー(誘導)・シェイピング・キャプチャリング・ターゲット・キュー(合図)・般化・プルーフィング・馴化・環境管理・両立しない行動を教える


